bluemomday0105

キャプテン・マーベルのbluemomday0105のネタバレレビュー・内容・結末

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

スーパーヒーロー誕生譚でもあり、地球に落ちてきた女の失われた過去を取り戻す、自分探しのストーリーでもあった。

サノス余裕で倒せそうなくらい最強な彼女がキャプテン・マーベルとなるまで、サスペンス的なストーリーやSF的要素、アベンジャーズの前日譚と絡めつつ、女性主人公らしい着地点に収めた感がある。いろんな要素を含めてる割には手堅くまとまってるのは、あくまでも主人公キャロルの自己の確立を追い続けたからか。

今どきのMCUのテンポ良さに比べたらもっちゃりしてるし、ブリー・ラーソンのキャロルはふてぶてしく男ウケ悪そうだけど、女性には優しく励まされる映画でした。どれだけ嘲笑されても立ち上がる、自分のやりたいことを諦めないキャロルの不屈の姿が眩しく勇気づけられるし(そして、どんなにボコられてもファイティングポーズを止めなかったもうひとりのキャプテンを思い出しつつ…)、スーパーヒーローになってからの彼女が取った選択も優しい。
戦争とはどちらか一方に悪意があるだけではなく、それぞれ自分たちの場所を家族を守りたいだけでもある。正義はどちらにもある。
ある意味ブラックパンサーとは真逆やな…。

グランジファッションやWindows95、インターネット老人会的エピソード、レンタルビデオ屋、スマパンのメロンコリーのポスター。90年代USオルタナ。(ホール、ガービッジ、エラスティカ、ノーダウトなど、ガールズバンドが多めなのは敢えてかな?)
めっちゃリアルタイムだから、それだけでテンション上がってしまったけど。あのNINのTシャツのサイズ感とかジーパンの破れ方とか…。

前述の、繰り返し提示される1995年という時代背景。
女性が自分の力だけで夢を実現できる、世界を変えられると信じられた最後の時代だった。「やっぱり女の子は男の人に選ばれてなんぼなのよ」という価値観が少しなりを潜めてた時代。
あの時代設定、数年ズレてたらチグハグだった(数年ズレてたらファイト・クラブ~9.11だし)。SHIELDメンバーの登場だけでなく、すごく必然性のある設定だったと思います。

もう若い人に好かれなくてもいい!私が好きだから!って感じです!w
そして、この作品の全米公開を国際女性デーに決めた英断に拍手を送りたいです。大好きです。
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