みじんコ

キャプテン・マーベルのみじんコのレビュー・感想・評価

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
4.0
【あたりまえ…それがいいんじゃない!】

女性単独主演のアメコミヒーロー映画として先んじた『ワンダーウーマン』は『強く、正しく、美しい、男を導く女神のような存在』として『女性ヒーローの誕生』を描きましたが、マーヴル映画がそれに対してどのように返答するのかに注目していました。

そして僕が感じたのはスーパーマンに対するスパイダーマン的とでも言うか『女神』に対する『普通の女性』像。

主人公キャロルは軍人ではあるものの、そのパーソナリティーは明るく勝気で仲間思いの普通のヤンキー娘といった感じで

彼女は職務に忠実であったが故に偶然、スーパーパワーを手にしますが、敵組織の都合で記憶を奪われ、男性上司から屁理屈的な精神論(ジェダイの教えみたいな感じ)で自己評価を下げられ、精神的に従属されています。

そんな『自分が何者なのか』を見失い、さまよっていたキャロルが自分のアイデンティティーを取り戻し、元上司に対して『うっせぇ、クソ喰らえ!』とパワーを爆発させる場面は最高にアガりました。

あと、キャロルの相棒のシングルマザーが『娘がいるから危険な仕事はできない』というのに対して『娘が誇りに思えるママになって』と母親を送り出す展開にもグッときました。

『キャプテンマーベル』を『ありきたりな話』と評する向きもあるようですが、『女神的』でもなく『セクシー』でも『ミステリアス』でもない『普通の女性』を主人公に『ありきたり』と受け止められるヒーロー映画に仕上げた事こそがマーヴルのこめたメッセージであり、その作品が支持を受けた事がエポックであり、時代性なのだと僕は感じました。

(実際、この作品がライアン・レイノルズ主演でタイトルが『グリーン・ランタン』でも全然成立するお話だったと思う)

マーベルは『ブラックパンサー』の時もそうでしたがマイノリティを鼓舞するメッセージをエンタテイメントに昇華するのがとても巧みですよね…

僕の娘が大きくなったら見せたい作品がまた1本増えました。
みじんコ

みじんコ