八巻綾

キャプテン・マーベルの八巻綾のレビュー・感想・評価

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
3.9
興奮して泣いた。子供のときに観たかった。

戦争中のある星で戦士となった女性。彼女には記憶がなかったが、特別な能力が与えられていた。最初の大きな任務で罠に嵌められ地中へと墜落した彼女は、敵が狙う謎に迫るうちに自分の過去も知ることとなり……。

ほとんど笑顔を見せないキャロルが、強くてカッコよくて最高だった。「少しは笑って見せろよ」とか言う男はガン無視、「素手で決着つけようぜ!お前には勝てないって思い知らせてやるよ」と言う男もガン無視。お前らの土俵で何でも決めてんじゃねーよバーカ。(あ、つい心の声が…)

キャロルは、過去の記憶と名前を取り戻すことで自由を手にする。自分を取り戻したことで、知らず知らずのうちに囚われていた鎖に気付き、それを断ち切る。しかも、完全に自分の力で。恋に落ちる相手も現れなければ、彼女を援護する強い男もいない(仲間はいるが、戦闘での助けにはならない。むしろ、彼女を物理的にサポートするのは女性)。キャロルは、自らの意志で何度も立ち上がり、気高い信念を得て戦う。圧倒的に強い正真正銘のヒーローなのだ。男の子って、ヒーローものを見ているときにこういう気持ちになっていたのか!初めて知ったよ。なんせ私はセーラームーン世代でもないから、全然わからなかったよ。

本作で描かれているのは、男女だけの問題ではない。難民問題や抑圧など、けっこう色々なテーマを盛り込んでいる。でも、ストーリーはわかりやすくてスッキリ。極上の友情映画でもあり、最高の猫映画でもある。そして、『アベンジャーズ/エンドゲーム』への期待を最高潮に高めてくれる。いやあ、よくできてるわ。

また、90年代の雰囲気や音楽も良かった。思い出してみると、中高時代に流行っていたガールズロックって強かった気がする。攻撃的というか。90年代の音楽を背に戦うキャロルを見ていると、懐かしさも相まって20年前の自分が応援されているような気になった。

『たちあがる女』でも書いたが、私の祖母はキャロルみたいな人で、アクロバット飛行士になるのが夢だった。誰よりも負けず嫌いで運動神経も良かったらしいが、女性パイロット自体が存在しない時代だ。「女はダメだ」の言葉の元に、あらゆることを諦めて結婚させられたわけだ。親の決めた相手と。(ちなみに、結婚生活が不幸だったわけではない。私は祖父も好きだった)

祖母と一緒に本作を観られたらどんなに良かっただろう。その願いは決して叶わないけれど。でも、いつか必ず息子と一緒に観ようと思う。それで「キャプテン・マーベルめっちゃカッコいい!」と感じてもらいたい。

ちなみに、祖母よりも祖父の方がずっと感情的だった。すぐに不機嫌になる祖父に対して、いつでもテンション低めで冷静な祖母は親戚から「課長さん」というニックネームで呼ばれていた。「女は感情的な生き物」だなんて、ちゃんちゃらおかしいわ。そんなの人それぞれだっつーの。

某サイトの感想の中に「主人公に隙がなさすぎる」というものがあった。知るかっつーの!隙がなかろうが、笑顔が少なかろうが、肌の露出が全くなかろうがいいんだよ!キャプテン・マーベルは超かっこいいよ!