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キャプテン・マーベルのymdのレビュー・感想・評価

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
3.6
時間軸としてはアベンジャーズよりずっと前の話なので他のヒーローとの関連性は無く、ニック・フューリーやフィルをはじめとした数名のキャラクターの若かりし頃を見ることができる。

アベンジャーズにも女性ヒーローはいるけど単独作としては初というエポックメイキングな映画。殊更に性別を主張したストーリーテリングではないのがかえって今作の価値を高めていると思う。

『ルーム』での絶演が深く印象に残るブリー・ラーサンはキャプテン・マーベルとしてもハマり役で、クールさとキュートさが乖離しない自然体な演技がとても良かった。
ジュード・ロウは目の色が違うだけのジュード・ロウだった。

特に後期MCUにおいては善悪構造の複雑化が進んでいるわけでそれ自体は決して悪いことじゃないんだけど、同時にアクションムービーには大事なダイナミズムやキャッチーさが希薄になっているという一面もある。

でも『キャプテン・マーベル』は原点回帰してシンプルな勧善懲悪ストーリーに徹することで明快でテンポが良い。その中にもアッと思わせる転換を用意していたりするので非常に綺麗にまとまった映画だと思う。

その綺麗なパッケージ感ゆえに正直それほど印象に残らない、というのが個人的な感想であるけど。あとこれまで語られなかったニック・フューリーを描いていることが重要なのは分かるけど、それがアベンジャーズの物語に深みを与えてくれたようにも感じなかった。隻眼になった理由もそんなもんかよ、って拍子抜けしたし。なんかどっかでもっともらしいこと言ってなかったっけ。

あと、サミュエル・L・ジャクソンが若くなっているのがすごくて、彼が画面に出るたびに関心しちゃった。もう役者には加齢は関係なくなっていくのかな。
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