アフターサノスの時代の平穏がまず胸を突く。人口の少なくなった地球では、自然が力を取り戻しサステナブルな環境が整い始めている。それはアベンジャーズの物語にとっては少々「不都合な真実」であるからか、それほどは描かれない。
サノスは「宇宙の不均衡を正す」ため、つまり自分のためではなく「宇宙を救う」という大義のために行動している。そこらへんはサノス自身の内面世界も含めて「インフィニティ・ウォー」で詳しく描かれている。
つまりサノスとアベンジャーズが行動する動機は同じ。サノスの大義とアイアンマンの大義は実はそんなに変わらない。問題視されるのはその手段である、という話なんだけれどサノスの暴力性とアベンジャーズの暴力性を比べてみたところで、どれほどの違いがあるのだろうとも思ってしまう。
例えばこのようなヴィランのあり方が非常に現代的であり、そのまま現実の世界を参照してしまえるような懐の深さを、この作品は内包している。
いまさら言うようなことでもないかも知れないけど、改めてすごいシリーズだなあと思い知らされる。
ひとこと今作のみに関して言えば「インフィニティ・ウォー」の凄さは越えられなかったかな〜と言うところ。じゅうぶん面白いんだけどさ。