JIZE

アベンジャーズ/エンドゲームのJIZEのレビュー・感想・評価

4.5
アベンジャーズが最強の宿敵サノスに敗北し全宇宙の人類の半分が消滅したその後を舞台に残された者たちが再集結して再び立ち向かう最終決戦を描いたMCU第22弾の完結編‼︎シリーズ史上初の長丁場3時間1分の特別な上映を終えまず感無量。3000回感謝を伝えたい気持ちが分かりました。ストーリー云々より公開初日リアルタイムで観れた事に価値と感動がある。本作は事実上,約10年以上にわたってヒーロー映画の単独作やアンサンブル映画を猛スピードで展開してきたMCUシリーズの"さまざま"を完結させる稀代の集大成で前作の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年)』とは表裏をなし作風のトーンがだいぶ違う。冒頭のホークアイ家族のくだりから文字通りロースタートだった。いわゆるサノスの指パッチン一発でチームの半数が塵と化して消滅し戦力も半滅した余波でダウナーな雰囲気が序盤からだいぶ重厚にのしかかり感情を揺さぶられる。消滅した仲間を取り戻すため残された者たちが喪失を享受し新たな画作を練る再集結までのパートと軌跡を辿るようなルーツ巡りのパートが名場面を盛り込み仕掛け的に胸を打つようなシーンに併さって機能している。ファンさー的なギミックの描き込みや時制をいじって目配せをする感じなど監督のアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟のシリーズを愛するこだわりが実感できる最終章だろう。終盤のある場面でキャップが反撃の狼煙をあげるように「アッセンブル」と叫びあげるシーンはガン上がりでアイアンマンやキャプテンアメリカ,ソーなど初期メンバーの面々に活躍の場が多数設けられてるのも郷愁感のような原点へ回帰させる絵的な嬉しさがある。特に終盤の天変地異のような事象の吹っ飛ぶくだりが発生以降は上述三人の魅せ場がガシガシ連打で放たれ『アベンジャーズ(2012年)』を彷彿とさせる懐かしのフォルムである。とりあえず現時点での感想は有終の美を飾るサプライズ満載の"感謝"に溢れた最後でした。

→総評(シリーズ完結編に込めるそれぞれの熱量)。
総じて終幕(集大成)にふさわしい締めかたでサーガの完結に気持ち的にも感無量である。それぞれがあるべきラストへ着地する自然な物語の帰結だったように思えました。いま思い返せば『アントマン&ワスプ(2018年)』でのポストクレジットでアントマンが極小になり量子世界に取り残される一幕であったり『キャプテンマーベル(2019年)』を経たアベンジャーズ合流へのスムーズな流れ,ホークアイが家族を失った孤独感など前作のサノス戦で不在だった面子が溝を補完するようにキャップたちの前に姿を現しそれが難題を突破するヒントに影響してる感じなど上述二作を製作した甲斐がありエンドゲームを観て両作品の評価があがるクロスオーバー感が活きていた。またスタークとスパイダーマンの師弟関係でも本来フェイズ3最後を飾る次回『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年)』にどう彼の成長が直結するのか時制の関係諸々で今後のユニバースの展開に興味が尽きない。劇中で誰かが放った「バックトゥーザーフューチャーを地で行く気か」という映画的な台詞はいくらメタ視点でも爆笑した。"時間のしっぺ返し"を食らうプロットも中盤以降からボルテージがあがり脚本のひねりかたが結構好みでした。というようネタバレ回避で表現を選びだいぶ断片的なレビューとなりましたがサノスを撃退するストーリー云々がカタルシスじゃない事自体がそもそも凄い構想に思う。MCUの軌跡を辿るアプローチをとりつつもキャラの真っ当な終着点をそれぞれに描き出してる辺りは見事。恐らく今年を代表とする間違いなく5本の指に入る作品になる事は間違いないだろうし熱量の凄さを実感するうえでもそれぞれの勇姿と正義の様を最後まで固く見届けてもらいたい。
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