和桜

アベンジャーズ/エンドゲームの和桜のネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ここまでずっと追い続けて、何度も見直してきただけに鑑賞後は放心状態。初日の深夜に見終わってそこから寝れなくなった。
せっかくネタバレを隠す機能があるので、ネタバレ全開で取り留めなく書いていくので観てない人は避けて下さい。




正直一番気になっていた問題に「過去へ戻る」という選択肢を選んだのは少し肩すかしを食らった。ただあれから5年という歳月を経たことや、「過去を変えても未来は変わらない」という原理、なによりキャップがサムと同じように聞く側の人間になっていたことに泣いた。
他にも細かいとこで色々言いたくはあるんだけど、あの最終決戦を見せられたら何も言えなくなる。
あそこに至るまでにも何度も泣いてしまったけど、皆が集まってきてのあれで完全に涙腺が弾けた。キャップのムジョルニアとか目を見開いたし、AoUの伏線きた!と唸ったよね。

「映画としては~」とか「ご都合主義が~」とか、ここまで見てきた側としてそんな言葉は心の底からどうでもいい。長年のファンとしてこんなに嬉しい展開はないでしょ。
そもそもMCUって常に自己批判の過程であって、観客よりも制作陣のほうがよっぽど厳しい。ある作品でそれでいいの?という選択を、後の作品で徹底的に批判して描く。この繰り返しで、これが終わりであり始まりである以上、『エンドゲーム』に自分の求める答えがなかった!って人もこの先に期待し続けて良いはず。

だけどもうやっぱり辛い。
ロバート・ダウニー・jrでありトニー・スタークでありアイアンマンである存在を追い続けてた身としてはもうひたすら辛い。
多分それぞれが好きな人物の視点でこの物語を見てたんだろうけど、自分は改めてトニー・スタークの視点で見てたんだと気づいたし、これからどう見ていけばいいんだ。
引退はわかっていても、見る前はRDJならカメオ出演でこの先も出てくれるんでは?ラストはトニーとポッツの結婚式でアベンジャーズ1のエンドロール後の食事シーンをオマージュしてくれると嬉しいな!なんて淡い期待を寄せてたから。心が死にました。

「ハッピーエンドとは限らない」という遺言はまさにそうだし、ヒーローとして身を捧げてきたキャップが自身の人生を選び、スーツを得るまで自由に生きてきたトニーがヒーローとして死んだというのは、余りに美しすぎる対比で納得して泣くしかない。
もともとアイアンマン1-3の話はインフィニティストーンはそこまで関係なく、自身や父親が生み出した負の遺産との決着だったんだよね。にもかかわらず、アベンジャーズで宇宙の驚異に気づいて以来は誰よりも地球を守ることを考え、その重圧と恐怖に押しつぶされてきた。そんなトニーが好きだったから、あれは悪くない退場の仕方なはずなのに、もう見れないと実感すると辛い。
もちろん『アイアンマン3』がトニー・スタークの物語であり、薬物に手を出して一度は追放されたロバート・ダウニー・jrの再生物語の締めくくりでもあるから、4とかは期待してなかった。だけど違う形でももっと見たかったよ。

ポッツも5年でかなりの変わってて泣けた。5年前ならいつものように危険なことはするな!とケンカになってたはず。もちろん罪悪感もあるんだろうけど、この五年がいかに幸せな者だったのかがわかる。特典映像でいいのでそこら辺の映像もっとくれないかな。
最後のカーンカーンという音が忘れられないし、あの演出はもう愛しかない。葬式にいた青年はアイアンマン3の子と言うことで良いのよね。ピーターと絡んで欲しい。もうこの先の願望しか言えない。

ナターシャがアベンジャーズを家族のように思っていた事がわかったり、ソーが結局は国民よりもガーディアンズという家族に惹かれたのも良かった。
バッキーはキャップの選択に気づいてたし盾を譲るのがまた良い。次の世代ではないと思ったのか、スタークが作った盾を持つ資格が無いと思ったのか。この先も救いが欲しい。
心配だったマーベルの突出さも、インフィニティストーン一つを使って相殺するというかなり納得のできる描き方だった。ストレンジ先生もその辛い心境を想像できてしまって辛い。エンシェントワンが出てきたのはもうテンション上がりまくった。
そしてあの二人が70年代へ行き、それぞれの過去への決着や決意を得たのはもう素晴らしいよね。

ほんとまだまだ言いたいことは沢山あるけど、気づけば悲しみに浸ってる。もう会えないの辛い。AI説とかもあるけどやっぱり死ぬのは辛いわ。しかも俳優の年齢的に生き返らせるのも微妙なのがリアルでまた辛い。
だけど、前に進んでいかなきゃ行けないわけで、とにかく次の『スパイダーマン』頼んだぞ!実質これがフェーズの締めくくりらしいから悲しみを前へ向けてくれるものだと信じてる。てかスパイダーマンの予告でピーターの顔があまりにも笑顔だから、アイアンマンは死なないと思いこんでたのもあるのよ!新しい予告はやく!

未だに消化しきれてないけど、この感情をリアルタイムで一緒に共有できたのは凄いこと。制作陣、俳優、コミック含めて感謝しかない。こんな壮大な映画を見れる時代に生まれて良かった。
これまで可能な限り何度も繰り返し見てきたけど、新しい作品が増えるたびにセリフの意味合いや何気ないシーンが重要なものに変わったりする。常に過去作との関係性とシナジーを考慮して作られてきた。冗談かと思っていたとこが意外と本音だったり、もうほんと今までありがとう。
見続けてきて本当に良かった!とはまだ言い切れないほど辛いけど、この先の物語に期待しながら待ってる。
和桜

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