るるびっち

アベンジャーズ/エンドゲームのるるびっちのレビュー・感想・評価

4.1
「この世界が消えればいい」そう願う人もいるだろう。
イジメ・居場所の無さ・将来の絶望・虐待などなど、特に中高生で狭い現実に息も絶え絶えな子供がいるだろう。
彼らにはサノスこそヒーローで、アベンジャーズはヴィランかも知れない・・・

しかし半分が消えた世界にあるのは、5年経っても消えない喪失感。
ヒーローが殺し屋になるほどの喪失感。
これはヒーロー映画だから、結局は失われたものを取り返すミッションが行われる。
夢が描かれる。
けれど現実には喪失はなかなか埋まらない。
夢と喪失が描かれている。
アベンジャーズを代表する3人が、それぞれの喪失を取り戻す。
アー、よかったなと感動した次の瞬間、これが映画であり現実では不可能なことを思い知らされる。
ヤケになって親を刺したり人を殺せば、そこにあるのは無限の喪失。
個人レベルでなくてもテロや戦争、現実にアイアンマンは居なくてもサノスはけっこう居るだろう。

サノスの夢には未来がなかった。
達成したあとは、彼自身やることがないのだ。
暗い思いで世界を消しても、もっと孤独になるだけ。
サノスはやはり、ヴィランなのである。
一方で世界を救うには、大勢の仲間が助け合わなければいけない。
ヒーローといえども一人では無理。
それぞれの知恵と能力を持ちあわなければいけない。
その為に、みんな違っているし、違う力を持っている。
だから、君の居場所はきっとある!!
仲間をつくって映画を観に行こう。
今の自分を救うことが世界の救済につながるだろう。指パッチンで世界は救えない。
サノスではなくアベンジャーズを目指しましょう!!

キャップがベンチに佇んでいるのを見て、実はこれは11年もかけた長い夢なのかなと一瞬思った。
平成と共にアベンジャーズの夢は終わったのか。
それとも令和と共に新しいアベンジャーズの夢が始まるのか。
不安と期待・・・洋画だから元号関係ないけどね💦
(夢と喪失に関しては他にも素晴らしいレビューがあるので、少し違う角度で書いてみました)
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