鍋レモン

プリデスティネーションの鍋レモンのレビュー・感想・評価

プリデスティネーション(2014年製作の映画)
3.9
⚪概要とあらすじ
ロバート・A・ハインラインによる「輪廻の蛇」を基にしたSFサスペンス。

1970年、ニューヨーク。とあるバーを訪れた青年ジョン(セーラ・スヌーク)は、バーテンダー(イーサン・ホーク)に自身が歩んだ人生を語る。それは女性として生まれて孤児院で育ち、付き合っていた流れ者との子を宿すも彼に去られ、さらに赤ん坊を何者かに誘拐されたという壮絶なものだった。それを機に男性として生きることを選んだジョンに、バーテンダーは未来からやって来た時空警察のエージェントだと明かす。驚く彼を自分の後継者に選んだバーテンダーは、装備を託すとともに宿敵である爆弾魔との対決に臨んでいく。

⚪キャッチコピーとセリフ
“時空(どこ)へ逃げても追い詰める-”

「お前が酷く恋しい」

⚪感想
SFサスペンス作品。

終わってみると先読みできそうだったって思いつつも結構難解な映画。

作りの上手さ。
シンプルだけど細かい。

個人的な好みの映像と語り口。
登場人物の語る物語が面白くてすぐに引き込まれた。

俳優さんたちの演技力も高い。

特にサラ・スヌーク。
美人、ハンサムどちらも。一瞬若い頃のレオナルド・ディカプリオかと。

鶏が先か、卵が先か。
尾を飲み込む蛇。
それがキーワード。

クリストファー・ノーランちっく。

短時間でまとめられていて観やすかった。

『ルーパー』想像してたけど全然違った。



⚪以下ネタバレ



結局最初はどこから生まれたのか。

主人公と女性と男性と爆弾犯。バーテンダーとジェーンとジョンと爆弾犯は全て同じ人物だったという。
タイムパラドックスの中で自分から生まれた自分。そして自分を殺す自分。
特異体質だから性別が変わる。
摩訶不思議だけど成立する物語。

以下ストーリー。(Wikipediaから引用)
1970年3月、とあるビルの地下で爆弾を処理しようとしていた男が失敗し、顔に大やけどを負う。男は何者かの助けでバイオリンのケースに似た謎の装置を使い未来に飛び、ある組織の治療によって別の顔を得る。そして最後の任務を受け、男は過去へ飛ぶのだった。

1970年11月、ニューヨークは連続爆弾魔フィズル・ボマーにより混乱していた。あるバーにやってきた男・ジョンは、1本のボトルと引き換えに自らの半生をバーテンダーに語る。元々は、ジェーンという名の女性であったこと。孤児院育ちの天涯孤独の身であること。様々な能力に恵まれながら、それを活かすこともかなわず、今は告白話を雑誌に書いて暮らしていること。不幸な人生の中で運命的に出会った男性に裏切られたこと。彼との間に出来た娘を、何者かに奪われたこと。そして男性となった経緯…。

ジョンに同情したバーテンダーは、女性だった頃の彼を裏切った男性に報復する機会を与えてやると言い、共に1963年にタイムスリップする。バーテンダーは、フィズル・ボマーを捕えるためにバイオリンのケースに似た時標変換キットでタイムスリップを繰り返す時空警察官テンポラルエージェントだったのだ。

1963年4月、運命の男性と出会った場所で出会いを阻止するために待ち伏せるジョン。しかし周囲を警戒する自分の背にぶつかってきたのは、女性だったころの自分自身であるジェーンだった。当時の出会いは、男性になった未来の自分自身との出会いであったと悟るジョン。そしてジョンとジェーンは恋に落ち、やがて激しく愛し始める。

1970年3月、バーテンダーはフィズル・ボマーを葬るためにタイムスリップした先で、爆弾を処理しようとして大やけどを負ったジョンを助ける(冒頭部分)。

1964年3月、ジェーンはジョンとの子供を出産するが、帝王切開という大手術と子宮や女性としての必要な生殖器を摘出することになり女性としての機能を失ってしまう。だが幸いにも生まれてきた娘は健康的だった。バーテンダーは生まれたばかりのジェーンの娘を拐う。ジェーンは特異な体質で、男性としての機能も持っていたため、度重なる手術のすえ、ジョンという男性として生きることを余儀なくされる。

1945年9月、赤ん坊と共にタイムスリップしたバーテンダーは、孤児院の前に赤ん坊を置き去りにする。

1963年6月、バーテンダーはジョンをジェーンと別れさせ共に未来に飛ぶ。そしてその未来でジョンは時空警察官となり、時標変換キットを使って様々な時代の犯罪を食い止める身分となる。バーテンダーはジョンを時空警察官にするという最後の任務を終える。

1975年1月、バーテンダーは引退するためにこの時に飛ぶ。時標変換キットはそこで機能を停止するはずであったが、エラーを表示し停止しない。

1975年3月、バーテンダーはフィズル・ボマーの居どころを知り、銃を持ってその場所に行く。そこには、たび重なるタイムスリップにより精神を病み、今ではフィズル・ボマーとなったバーテンダー自身がいた。フィズル・ボマーとなったバーテンダーは、バーテンダーに「俺を殺せば、お前が俺になる。それがそのあと起こる事だ」と言う。しかし、その運命を受け入れることを拒否してバーテンダーは未来の自分を撃ち殺す。バーテンダーは時標変換キットを見つめ、狂気の宿った顔を上げる。その腹部には、過去に帝王切開をした手術跡が痛々しく残っていた。

ジェーン、ジョン、バーテンダー、そしてフィズル・ボマーは、一人の同じ人間だったのだ。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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