みさお

プリデスティネーションのみさおのレビュー・感想・評価

プリデスティネーション(2014年製作の映画)
3.9
この映画は、なかなか見応えのある映画だった。
タイムトラベルを扱った映画としては、これまでの作品と様相が違うと感じた。
序盤からから伏線だらけで、どんな展開になるのかよくわからないまま、どんどんストーリーに引き込まれていきます。
後半の伏線の回収は凄く、考えてもいなかった結末になります。
そして、見終わってしばらくは、一体、何故、こうなったのかを長考してしまいます。

タイムトラベルの矛盾から生まれた、過去とつながりを持たぬ者が何故必要なのか?
タイムトラベルのための時標変界キット(USFF)がエラーとなり機能が停止されなかったのは何故なのか?
ロバートソンは何を知っていて、どんなことを目論んでいたのか?
などなど、まさに頭の中がパニックになりました。





ここからちょっとだけネタバレが入ります。

最後の展開でバーテンダーが、タイプライターで「時と愛と未婚の母」という話を打ち込んでいる時に、著者名に「Jane (ジェーン)Doe」=名も無き者(女性の場合)と打ち込んだあと、ちょっと笑って「John(ジョン) Doe」=名も無き者(男性の場合)に書き換える場面で「えーっ⁈ まぢー⁈」となり、辿りついた爆破犯フィズル・ボマーが「どうせ俺らは操り人形だ。ロバートソンの意のままさ。奴が倒したドミノをただ眺めるだけだ、俺を撃てば、お前が俺になる。鎖を断ちたいなら、殺してもダメだ」という言葉と、フィズル・ボマーを殺した後で「お前がひどく恋しい」と言ったときのジョンの狂気を帯びた顔を見たときは、鳥肌が立ちました。

因みに、映画のタイトル「プリデスティネーション」(predestination)は「運命」とか「宿命」とかの意味のほか、「運命予定説」世の中の出来事はすべて、あらかじめそうなるように定められていて、人間の努力ではそれを変更できない。 という考え方。
みさお

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