Cisaraghi

スポットライト 世紀のスクープのCisaraghiのレビュー・感想・評価

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戦うべきものと戦える取材力と言語能力を備えた新聞記者ってほんとカッコいいー!と思う映画で、あー、もっと高い言語的戦闘能力があったらジャーナリストになりたかったなー、などとヒーローに憧れる小学生みたいなことを思ってしまった。

人物も室内も風景も全く映画的に美しく撮ろうとせず、韓国の犯罪ものみたいにリアルにそのまま映している(ように見える)地味で褪めた画面がよかった。殺風景ですらあるボストンの、多分それほど裕福ではない人々が住む家々。こんなアメリカもあるんだと思った。
 そして、レイチェルマクアダムスもラファロも、スターオーラが見事に消えて、ボストングローブの記者にしか見えなかった。局長、カッコよすぎ。

ジャーナリズムの真骨頂は弱者の側に立って戦うこと、真実にスポットライトを当てること、という原点にかえった強力なメッセージを受け取ると同時に、人間の性的側面の持つ底知れない闇の深さを覗いた気がして暗澹とした。そして、信仰を利用して弱者を餌食にすることのおぞましさたるや…。

撮影は、カナダのオンタリオ州ハミルトンやトロントを中心に行われたようだ。あれはボストンの家々ではないのかな。

あのアクの強いマクリーシュ弁護士役の人、キャメロン・クロウ監督 "Almost Famous " のラッセル役の人だったなんて吃驚!
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