ちゃくろねこ

スポットライト 世紀のスクープのちゃくろねこのレビュー・感想・評価

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まず、この実話が映画化されて、オスカー作品賞を受賞したってところに、アメリカ社会の性暴力許さないという気運の盛り上がり、みたいなものを感じた。
正直、映画としては手堅く見応えあるものの、地味で目新しさはない。しかし扱うテーマは、現代の大人たちが目を逸らしてはいけない内容だからだ。
「映画」の持つ、娯楽としてだけではない、社会的な存在意義を、改めて思い起こさせてくれる。

地域の末端まで教会の活動が浸透している社会では、このスクープは想像以上に衝撃的だっただろうな。ましてや9.11テロの直後。アメリカ社会の価値観が大きく揺らいだことだろう。
10数年経った今、記者達の取材姿勢と同じように、淡々と丁寧に真摯な姿勢でこの映画が作られ、記者達を必要以上に正義のヒーロー扱いする事なく、またセンセーショナリズムに走る事なく、ごく身近な問題として描いているのが、逆に静かな怒りや大人社会の自戒が感じられて印象的だった。
(日本公開時のレビューです)
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