Denkishino

スポットライト 世紀のスクープのDenkishinoのレビュー・感想・評価

3.6
久しぶりのレビュー。
衝撃的な内容ではありました。「カトリック教会の性的虐待事件」として、この映画の指す実際にあった、今でも起こっている事件として問題は解決されずにいます。
ただ映画としてはどうなのかと、ふと感じました。内容が衝撃的なだけに、その内容に引っ張られ映画としての映像の魅力、構図や色合い、構成の良さなどはあまり感じられなかったと思います。どちらかといえばドキュメンタリーですが、そうでもない中間地点の雰囲気でした。
2016年アカデミー賞としては、「レヴェナント 蘇りし者」がノミネートでしたが、そちらの方が内容はともかく映画としての魅力はあったのではと感じます。しかしこれにはアメリカ社会を揺るがす教会の闇を扱った内容だけに、その社会的な効果を考慮してのこともあるでしょう。純粋に映画としての評価での判断は難しいでしょうね。

映画には直接関係ないことを。
気になったので色々関連記事など読んでみまして、この映画でも挙がった、多くの性的事件を起こしたジョン・ゲーガン神父は、後に起こした同じような事件で禁錮の実刑判決、聖職も剥奪、収監されている間に他の収容者からの暴行で死亡という壮絶な最期を迎えています。
そして気になるのは、映画内でも医学療法士の電話取材で言っていた「聖職者の全体の6%が起こす現象」という内容。後のカトリック教皇が「全体の5%の事実がある」と公言したようですが、その起こる理由ですね。そういった性癖を元々持つものが聖職につくのか、それとも無い人間も染まるのか。全体の聖職者数が減っても5、6%現れるならば現象といえるのかもしれません。教会がこの映画の内容の事件を隠蔽していた事実がニュースではありますが根本的に考えると、もはや教会の闇ではなく人間の闇です。 きっと教会側も頭を悩ます事件、現象ではあると思います。性癖なんてそれぞれ吐露すれば、それぞれ嫌悪感を抱くことでしょう。とても言えない性癖をもってしまうことも、もっていることもあるに決まっています。ただ言えるのは「実際にやってはいけない」それだけでしょう。
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