ぬっきー

スポットライト 世紀のスクープのぬっきーのレビュー・感想・評価

4.8
群像劇なのに、ひとつのコミュニティが主人公の物語を見ているような気持ちになった。

日本人にはその感覚はなかなか理解しづらいなと思い、あくまで想像でしか私には分からないけど、コミュニティでひとつの葛藤を抱え込み、それがクライマックスに向かって昇華されていくような。
信じ、正しいと思っているものが、平然と悪だったときの葛藤。
その正しさや信仰をコミュニティみんなで共有しているとき。
本当にパンドラの匣を開けるような気持ちだったんだろうな、スポットライトチーム。

ここで明かされた罪は、だからただの罪じゃない。
子どもたちへのタブーだけじゃなくて、人々の信仰と精神的な正しさの軸を壊してしまった。
そんな罪はきっと法律に書いてないけど、とても重たいと思った。

最後のシーンはそれでも、パンドラの匣の最後に出てきた希望みたいなもので、ちょっとよかったなと思った。
ぬっきー

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