りーちゃまん

スポットライト 世紀のスクープのりーちゃまんのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

他の人も評価してるけど、カメラワークが素晴らしいという事、同意見です。


ハッキリと言ってしまえば、現代の映画はいくらでも暴力シーンは出せるし首は飛ぶし性別関係なく襲われるし人は死ぬ。
そんな時代だけど、この映画は「性的虐待」と聞いて、みんなが想像するようなシーンはまずでてこない。
その罪やトラウマの重さ、どれだけ時が経っても癒えない被害者の生傷がより深く鮮明に、映像で流す以上に生々しく伝わってくるのがこの映画の狂気的なところ。
信じられない。この狂った世界、今この時も、現実で起きてるんだぜ?

記者達が実際に被害にあった当時の子ども達に詳細を聞いて回るシーンがある。
私が宗教の強さ、危うさを感じたのはまさにこのシーンだった。

神父って信仰者からすると神様の使いで、言ってしまえば神様と一緒。
家庭環境が劣悪で誰にも助けを乞うことができなかった、神に縋ることしかできずに生きてきた純真無垢な子どもにとっては神様を剥奪されたような物語。
神父の誘いは、断れば神への裏切り。
神父が子ども達にやったことは「踏み絵」だと思った。
観ている途中で何度も何度も、1つのセリフが反芻された。

「神様にノーと言えますか?」

本当に重い言葉だと思う。
最後のスタッフロールは本当に衝撃で口を覆いました。
絶対観てとは言えないけど、知らなきゃいけないことの一つかも。
今まで生きてきて、知らないことが多過ぎた。