maimai

スポットライト 世紀のスクープのmaimaiのレビュー・感想・評価

4.0
非常に見応えあり。
派手な演出や、ヒーロー的な要素も組み込んでいないのも好印象。
たんたんと、それでいて堅実に取材を重ね、感情に溺れず確実に獲物を仕留める様は観ていて圧巻。
これが実話なのだから、本当に何が正義で何がそうでないのか、世の中が恐ろしくなる…。

大人に起こる性犯罪はもちろん、子どもたちに起こる性犯罪は絶対に許されるべきではない。スクープを出すまで、気づいていながら阻止できないことへの記者たちのジレンマとストレスは相当なものだったろうと感じる。

獲物は人ではなく、組織、そしてそのシステム、と言い放った編集長のその過去への懺悔を込めた、自分への戒めとも取れる姿に打たれた。
宗教のトップダウンシステムは、
個人ではなく、そのシステムから弾圧しなければ意味がないと言う一貫した姿勢もまた記者たちの決意を感じる。

マスコミはこうでなくてはいけない。
巨大な伏魔殿に立ち向かい、
正義が勝ったといえる。

タイミングを間違えると大事件でもすぐに埋もれてしまう世の中だから、
大切にしたい作品だと感じた。
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