Akiyoshi

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅のAkiyoshiのレビュー・感想・評価

4.8
観る前から好き。

もう本当にありがとう。
まさかまた魔法の世界を体感できるなんて思っていなかった。
ハリーポッターシリーズ全てを映画館で鑑賞した1ファンとして最高……いや世紀の傑作以上のものを観せていただきました。圧倒的感謝。意味分からないくらいの感激。生きてて良かった。

始まった。魔法が始まった。
予告で山寺宏一が「今度の魔法はもっとスゴい⤴⤴」という謳い文句を言っていたがその通りだった。スゴい。
FANTASTIC BEA「S」Tの「S」のロゴが魔法動物を彷彿とさせ、物語が始まる。ただいま。
シリーズものの始まりでは知らないキャラクターがもちろん多い。多くのキャラクターが登場する中、重要人物たちは皆、インパクトがあってキャラが立っている。惹き付けられる。魔法をかけられるように……。

主人公のニュート・スキャマンダーは、どことなくハリー・ポッターと重なる。そう、二人とも孤独なのだ。だからダンブルドアも……。
演じた「エディ・レッドメイン」は、ハリーポッターシリーズを観て杖の使い方を学んだというエピソードがあることから魔法への愛着が感じられる。
ハリポタシリーズのルーナのような不思議さと内気でオドオドする雰囲気は、不器用で魔法動物と同じように愛らしい存在に見える。とにかく魅力的な主人公で安心した。彼のストーリーをもっと知りたい。

ジェイコブは、ロンを思い出させる。
とてもお茶目で面白いキャラだ(笑)
何度も彼に笑いをもらった。
演じた「ダン・フォグラー」は、ジェイコブのことをスターウォーズのハン・ソロみたいな存在だと語る。魔法使いの中のマグルという存在が、ジェダイではなくフォースを使えないハン・ソロと被るのだろうか。
純粋なジェイコブの存在は新しい魔法や動物の存在を知らない私たちと同じ反応を見せていて、視聴者を投影する存在だった。

ハリー、ロンと来たら気になるハーマイオニー的ポジション……
新シリーズでは二人がその役を担っていた。ゴールドスタイン姉妹である。
姉のティナが特にハーマイオニーっぽい。強い意志を持ち、正義感が強い。ただ感情的なのが玉に傷だが……。
妹のクイニーは美しく、とても綺麗なイメージが残る。魔性すぎる……。
ゴールドスタイン姉妹の二人を演じた「キャサリン・ウォーターストン」と「アリソン・スドル」だが、二人ともモデルのようなスタイルで女性的。しかし、カッコいい。女性の模範的な女優である。アリソン・スドルはミュージシャンでもあるらしいので、曲も聴いてみたい。

他にも語りたいキャラは多い。というか魅力的なキャラばっかりじゃねーか!心配して損した!
そんでもって今回は魔法使いや人間だけではなく、魔法動物も多く登場する。まぁ~魅了されました。とんでもねぇやつばっか!

1番気に入ったのは、モグラとカモノハシを合わせたような魔法動物「ニフラー」。かわいい。めっちゃかわいい。小さい見た目通りに俊敏。光り物が大好きな動物。毛質もフワフワだし、モフモフしたいな~。

他にも多くの魔法動物が登場。かわいいものから、脳を吸う悪魔まで魅力的な動物ばかり!個性的なキャラに、多彩な動物。あぁずっと観ていたい。


J.Kローリングが脚本を担当した「自由の国」アメリカが舞台の魔法世界。実家に帰ったような安心感と、新しい世界への旅立ちが重なる。ハリーポッターシリーズの監督や製作者がもう一度集い、雰囲気も引き継いでいるように感じる。J.Kローリングがハリーポッターシリーズを通して貫いた差別や偏見などのテーマも新シリーズになって消えることはない。
しかし、似ているようで全く違う。そんな印象は鑑賞中、どんどん強くなった。

伝説的傑作からの脱却。
ハリーポッターシリーズの要素を引き継ぎ、新しいものを魅せねばならないチャレンジ。これは見事に解決された。自由の国アメリカと時代の違いがそれを解決した。新鮮そのものだったのだ。実家に帰ったはずなのに、何か違う。見知らぬ「何か」が感じられる。それがファンタスティック・ビーストにある。ニュートやジェイコブをハリーやロンに当てはめたが、実はもはやハリーポッターシリーズのキャラに当てはめることができないくらいの個性があって、何年後かには、「ハリーがニュートみたいなキャラで……ジェイコブはロンみたいな立ち位置で……」と、ハリーポッターシリーズを知らない人に説明できるくらいの印象強さがある。大げさに聞こえるかもしれないが、私の中じゃファンタスティック・ビーストは僅か1作でハリー・ポッターを超越した。ハリー・ポッターから卒業したと言った方が様になるだろうか。そしてファンタスティック・ビーストシリーズに入学した。
新シリーズは、ホグワーツを卒業した大人のファンタジーなんだと私は思います。だから越えねばならない。卒業せねばならない。過去の栄光から抜け出し、見事に脱却した。卒業おめでとう。私も卒業しました。

しかし、本当に良かった。
満足感が身体を包んだ。
生きていて良かった。
この時代に産んでくれてありがとう、と母に感謝したくなるくらいだ。


新しい時代が始まる。
そこにハリーポッターはいない。
ロンもハーマイオニーもいない。
ホグワーツの愉快な授業も、壮絶な運命も、賢者の石も、秘密の部屋も、アズカバンの囚人も、炎のゴブレットも、不死鳥の騎士団も、謎のプリンスもない!

それでも
ニュート・スキャマンダーがいる。
ジェイコブとゴールドスタイン姉妹がいる。
愉快な魔法動物も、壮絶な使命もある。

ハリーポッターと共に成長した私も大人になった。大人になった私は、ファンタスティック・ビーストと出会った。そして、大人になっても人は成長できると学んだ。まだ、終わらない。成長は止まらない。満足はしたくない。

山ちゃんの謳い文句に間違いはなかった。

「今度の魔法はもっとスゴい⤴⤴」

このシリーズを観るためだけに生きる価値がある。
Akiyoshi

Akiyoshi