八木

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅の八木のレビュー・感想・評価

3.7
ハリーポッターを小説・映画とも見ることなく鑑賞。時々出てくる固有名詞が『知ってりゃ楽しさが増えるんだろうな』という匂いを感じますが、手ぶらで行っても問題ないレベルのつながり方だと思います。全く知らずに行ったもんだから、「魔法や魔物が出てくるキッズ~青年向けファンタジー映画」と思い込んでたが、実際はテーマ的にそれなりにヘビーさを含んでいたり、ロマンスを含んでいたり、バイオレンスも含んでいたりします。知らないって恐ろしい。
この映画の好き嫌いが分かれるところって、主役のニュートがすでに完成された人格であることと、ニュートに対する印象ではないかと思います。表情も言葉も少なめで、ぼんやりしてるけど才能と好感を放ってて、さらにそういう役自体をしっかり理解して主役のエディ・レッドメインはやり切ってると思います。が、僕はマイペースな主人公や、その行動や魅力を中心に動くパートになると興味を上げきれなかった。ていうか正直好感度低かったからいちいち引っかかってた。
ただ、いいところもたくさんあった。予告編にもあった宝石屋ドタバタは最高だったし、あんだけ無機質なビーストがちゃんと愛玩性をもって描けてたし、続編を強く匂わせながら1本で見せる誠実さもあったし。あと何よりパン屋志望ジェイコブのキャラクターが最高で、太ったヒゲのおじさんとニュートが不思議な縁で仲間になり、どうしようもない理由で離れてしまうラスト近くの地下鉄のシーンでは泣きそうなってました(その後報われるシーンもベタだけど最高)。オール世代に対応した良心的な映画なので、何となく見に行くのがよいと思います。
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