ニャーニャット

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅のニャーニャットのレビュー・感想・評価

3.3
逃げた魔法動物を捕まえる話をサイドに起きつつ、「オブスキュラス」によって街を混乱に陥れる犯人とその動機を探るミステリーものをメインに物語が進行していく。

メインの方は面白い。「オブスキュラス」があらゆる社会的偏見、差別、抑圧のメタファーになっていて、その抑圧が産み出す歪みがさらに抑圧を増幅させるスパイラルはあらゆる事象に共通している。
ミステリーとしてはミスリーディングの拙さが目につかないことはないんだけど、「オブスキュラス」の破壊力と禍々しさは観ててワクワクするものがあった。

一方、魔法動物の発想にある程度の面白さはありつつも、あの逃げた動物を捕まえる下りはぶっちゃけ退屈。何度も動物逃しまくるニュートにだんだんいらいらしてくるし、なんかニュースでたまにある住宅街に逃げた猿やら熊をおじさんたちで捕まえるそれに見えてなんともマヌケな感じ。
この動物のくだりが観客層を広げてることは間違いないんだろけど。特に若年層に。

1番残念だったのが、ハリーポッターシリーズに比べて、ファンタジー要素がかなり薄まったことだよね。
時代が遡った分だけ、異世界感もなくはなかったんだけど、あくまでそれは昔のニューヨークの風景でしかなくて、魔法世界とはまた違う。
ホグワーツはスコットランド風の世界観をもった魔法世界だったわけだけど、今作ではニューヨークの文化や風土や建築物に着想を得た違った魔法世界がお目にかかれるかなぁと思ったら、ほとんど建物内しか描かれず、そこまで力が入ったものにも思えなかった。
次作以降は今のCG技術でハリポタシリーズからさらにアップデートされた魔法世界を期待。



あと、ジェイコブは最高にいいキャラだったんだけど、クイニーみたいな美女とくっつく展開は一切望みません!