海月

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅の海月のレビュー・感想・評価

3.3
素材は大変良いと思うのだけどそれを活かしきれていない料理という印象。摩訶不思議な魔法生物と独特の主人公の冒険を期待して蓋を開けてみたら、魔女狩りの社会運動とそれを注視するヒステリー女が本筋を引っ張り(かつ説明不足で分かりづらい)、求めていたものと違う感が漂う序盤。このファンタジーの世界観の中で求められるのはどちらかというとその美人の妹のような不思議さではないだろうか。全体的な問題の一つはその構成の配分で、余りにも主人公が活躍しない期間が長く、カバンの中に入った時のように「そうそう、こういうのを求めていたんだよ」までが長い。魔法生物も捕獲するのはいいが大して本編で活躍せず(あの悪魔だけは大活躍したが)、優先順位を置いて見せるポイントが外れていた印象。サイドキックの男性のキャラは好感が持てるが、あれだけ時間があったのにも関わらず主人公の掘り下げが足りず、ハリポタの中でも屈指の退屈なポイントである裁判シーンだけを継承してしまうという監督のセンスが疑われる作品であった。次作はテーマか監督を変えて、もう少しエンタメとして完成度の高い作品が来れば良いなと思います。
海月

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