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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅のSIのレビュー・感想・評価

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2018.1.11
自宅TVにて鑑賞

当時の子供は皆あの恭しく装丁された分厚い本達に夢中であった。
あの爆発的なブームの一端には、「ハリーポッター」シリーズのみを刊行するのではなく、作品に出てくるグッズも実際に商品として販売する事で子供たちに「あの世界とこの世界は繋がっているんだ」と強烈に錯覚させた事が挙げられるだろう。
そして今作品を見て、15年程前ハリーポッターに夢中になっている自分に母親が『幻の動物とその生息地』という、ハリー達が劇中で読んでいた教科書を買ってきてくれたこと、そして大喜びして1日ですっかり読み切ってしまったことをはっきりと思いだした。
この映画はその『幻の動物とその生息地』がベースになっているスピンオフ作品である。

この作品のオープニングはハリーシリーズと同じように動く新聞から始まり、この転がしは世界が開けていくように感じられていつもワクワクする。
冒頭でオブスキュラスが石畳の道路を割りレンガ造りの建物を破壊して過ぎ去っていくのだが、これを見つめるコリンファレルの真剣な表情を正面から映したカットでは、他のMACUSAと割れた建物とで遠近法がかなり上手く効いておりただの娯楽作品では無いという事を感じさせる。

途中エルンペントを捕獲するシーンでは余りの酷さに直視できなかったが、何か大いなる力があのシーンを生み出したのかもしれない。

演技に関しては、主役のエディレッドメインはアカデミー主演男優賞を取っただけはあり、ヘラヘラと笑顔を見せるだけのつまらない芝居に終始してしまいそうなところを時折きっちりとした強い意志を感じさせることで魅力あるキャラクターにしている。

このシリーズは全部で5作品から構成されるそうだが、それにしてはエディレッドメインと因縁のある悪役が存在しないため、このままだとハリーシリーズのように話に連続性や深みは出にくいのではないだろうか。

「ハリーポッター」シリーズが成功した理由の考察を、僕が大変お世話になり今も敬愛させて頂いているプロデューサーが以前語ってくれ、大いに納得したのでここにも書こうと思ったんですが、あまりに長いので割愛します。
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