滝和也

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅の滝和也のレビュー・感想・評価

3.7
魔法ワールドは
新たな世界へ…

魔法動物学者
ニュート・スキャマンダー
を主人公とする
ハリー達の世界の
70年前を描くスピンオフ。

「ファンタスティック・ビースト
  と魔法使いの旅」

ハリーを全部見ましたのでその勢いで、ファンタビに突入です(^^)。ハリーの生みの親、原作者J・K・ローリング自らが脚本を執筆し、ハリー後半を監督したD・イェーツが監督を続投。新たな世界が創造されました。

魔法動物学者ニュートはある目的からニューヨークに到着した。だが、彼のトランクから逃げた魔法動物を追う中、ノーマジ(普通の人間)のコワルスキーのトランクと入れ替わってしまった。元闇払いのティナに捕まった彼だが、コワルスキーを助けたものの、数匹が逃げ出した後だった。折しもニューヨークでは謎の獣が破壊行為を行い、魔法界と人間界の境界が崩れ、争いになりかけていた。濡れ衣を着せられながら、ニュート達は逃げ出した動物を探そうとするが…。

最初の数十分はまた陰気な作品だなぁと…。第一次世界大戦後を描いているだけに、ニューヨークの街もトーンが暗めですし、ファッションの色合いも地味。そして…陰気なヒロインと…(笑) 何かいつも泣いている顔をしてますよね…。

それは前振りでした。

ニュートのトランク内の世界が映し出された瞬間、その魅力が爆発する仕掛けでしたね。目に飛び込んで来る色鮮やかな自然とダイナミックな魔法動物たち、一気に世界が変わる。この作品の魅力はコレですと。

魔法動物の保護、自然の美しさを訴えるニュートと言うキャラも突然雄弁になり、不器用で人は苦手だけど、動物を愛し、人を愛す優しいキャラクターが見えてきます。

またノーマジ(笑)、マグル代表のコワルスキーのキャラもここから立ってくる。人として、見ている私達の代表、代弁者として機能する。魔法への驚きや当り前の愛、悲しみを同じ様に見せる愛すべきキャラでした。ラスト近くからは持ってかれますからね、心を(^^)

児童文学とは少し外れ、ハリーを見て育った世代に向けた作品になってますよね。魔法使いと人間の関係もまだギクシャクして、差別を恐れる背景があったり、敵の存在する理由も児童虐待と言う…。その辺りも暗めなんだけど…ニュートと魔法動物たちがそこを照らす光として存在してますのでより魅力が引き立つのかもしれません。

今までの作品を見てなくても確かに行ける内容ではあるものの、見ていれば、楽しい部分も多くて。グリンデルワルトの名前や校長先生の名前が登場してきますからね。勿論ラストも…(笑) 魔法シーンもお馴染みの呪文が登場します。

ただ…ハリー達より遥かに派手。大人の魔法使いたちがかなりしっかり呪文を使いますし、敵も暴れ方が激しい。CGの進化は続いていますし、特撮の見せ方も監督が巧くなっていますよね。

エディ・レッドメインは繊細さ、優しさがよく出ていて好演しています。イケメンなんでイマイチ不器用さは感じないんですが(笑) ヒロインは…ずっと泣き顔(笑)みたいなんですが…段々クセになると言うか、可愛さが見えてきますし、私、このタイプ好きでした(笑) 対して妹さんは色気と明るさが対照的でコワルスキーと共に印象に残ります。

まぁ、あの方(ヴォルデモートじゃないですよ)が登場してきちゃいましたから、このあとも見ざる得ないですよ。ファンタジー世界には彼は合ってますし、何本も出てますからね。キャラ立ちは間違いないし、五本作られるみたいだからゆっくり観ていきましょう(^^)
滝和也

滝和也