アタフ

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生のアタフのレビュー・感想・評価

3.4
今回のレビューはほぼ文句や不満しか書いておりません。

ですので、この映画が好きな人にとっては不快かもしれませんが、『ハリー・ポッター』シリーズが大好きで、子供のころから『ハリー・ポッター』と一緒に育ってきたファンとして、『ファンタスティックビースト』シリーズも同じように魅力的な作品になって欲しいのです。だから辛口なレビューを書くことをお許しください。私はこのシリーズに本当に期待しているんです。


以下感想。


これはあれだ、次回作からが本番というパターンですわ。
今作はハッキリ言って、次回作へ向けてただひたすら"準備"をしただけという印象。クライマックスシーンのあの青い炎も、無理やり映像的な見せ場を作っただけで、あまりストーリー的な意味を感じない。

誰が敵で誰が味方なのか?
誰を救い出さなければいけないのか?

という、今後の"目的"をハッキリさせるというのがこの映画の狙いで。映画的な魅力には乏しかったと思います。

映画の分かりやすさといった点でも、苦言を呈したい。

前作はシリーズ1作目なので、登場人物の説明などに時間を割かなければならず、多少ごちゃごちゃしてしまうのも仕方がないと割り切って見ていましたが、今作も前作以上にごちゃごちゃしているので、「2作目なんだから、もっと分かりやすく進めてくれないかな~…」と見ていてガッカリしました。とにかく登場人物が多すぎるんじゃないですかね?脚本の時点でそうなんだとしたら、もっと整理して作ってほしいものだ。もしかすると精一杯整理してこれかもしれませんが…

また、キャラクターについても言いたいことがあります。
エディ・レッドメイン演じるニュートや、クィニー、コワルスキーといった魅力的なキャラクターがいるのだから、もっともっと、彼らの掛け合いでコメディ的に演出をしてもいいのではないか??
そういうことを一応はやろうとしているんだけど、あんまり面白くないんだよな…
個人的には、もうシェーン・ブラックなんかにやらせてドタバタと面白くしてほしいものだ。シェーン・ブラックじゃなくても、もっとキャラクター同士の掛け合いを上手く演出できる監督いるでしょ?
逆に、ジョニー・デップ演じるグリンデルバルドはルックスを含めとても魅力的だ。やはりジョニー・デップ、存在感は抜群だ。
彼がこのシリーズの強大な敵として存在してくれるのはというのは大きな強みだと思う。ジョニー・デップ演じるグリンデルバルドとジュード・ロウ演じるダンブルドア。キャラクター的にも彼らはとても魅力的。
今後は彼らを主軸として、その間でニュートと愉快な仲間たちがてんやわんや頑張るという方向で進んでくれれば、個人的にはいい作品になるのではと感じた。


また、今作を見てつくづく感じたのが、『ハリー・ポッター』シリーズの面白さや魅力は、魔法が使える世界観が5割で、残りの5割が学園生活要素だということです。ハリーやロン、ハーマイオニーたちが学校で、わちゃわちゃするというのが、『ハリー・ポッター』シリーズの大きな魅力であるということを再確認しました。

『ファンタスティックビースト』シリーズは『ハリー・ポッター』から学園生活要素を抜いた5割の魅力だけで勝負している映画で、相当頑張って作らなければ、前作のファンたちは離れて行ってしまうと思います。ダンブルドアが出てくれば私を含むハリポタファンは嬉しいですけよ、ニコラス・フラメルとかボガートにリディキュラスをする授業とか、ハリポタシリーズファンならニヤリとしてしまうシーンもありますよ!?
でも、それだけじゃ駄目ですよ!ダンブルドアが出てきただけで、ファンが満足すると思ったら大間違いです!!
ちゃんと『ファンタスティックビースト』らしい魅力を出してくれなければ、このシリーズを続ける意味がありません。

だから、今作はただ"準備"だけだったとしても、次回作から盛り上がり魅力的な作品となってくれれば、ファンとしては文句はありませんよ。心の底から次回作が素晴らしいものになると願っています。
アタフ

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