somaddesign

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生のsomaddesignのレビュー・感想・評価

5.0
良くも悪くも具沢山。🍱
ロマンチックファンタジーホラーBLアクションドラマメンソールボックス、な感じ。

:::::::::::

アメリカからイギリスに戻ってきた魔法動物学者ニュートは、捕らえた凶悪な魔法使いグリンデルバルドが逃げ出したことを知る。恩師ダンブルドアから特命を受け、パリに向かったニュート。ティナやジェイコブら仲間達と共にグリンデルバルドの行方を追う。

:::::::::::

超楽しかったけど不満もタラタラ。

少なくとも前作を見ておかないと分からないタイプの続編。
しっかり前作を復習してから観たはずなのに、登場人物が増えすぎて頭の中の相関図を作るのが大変💦
何度か振り落とされそうになったよ。

ストーリーの本線「グリンデルバルドの追跡」の他に、ニュートとリタの淡い関係だったり、ティナとの恋模様、ジェイコブとクイニーの許されぬ愛。「X-MEN」シリーズみたいな人種問題まで盛り込んだ上に、新旧魔法動物が大暴れする………。要素多すぎ!っていうか、よくこれだけの内容を2時間ちょっとに入れられて、ちゃんと楽しい映画にできるもんだと感心半分、欲張りに呆れ半分。
JK・ローリングの原作/脚本が凄すぎるのか、監督の整理力が凄いのか。

ハリー・ポッターもそうだったけど、映画よりドラマシリーズの方が向いてる世界観なんじゃなかろうか?
世界観がガッチリ作り込まれてる分、要素が多岐に渡って一つ一つの掘り下げが浅く感じられる。突如出てきて物語を転換させるようなキャラが次の瞬間には完全空気になってたり、難しいことだったハズの設定がアッサリ覆ったり、いびつに感じられる箇所もチラホラ。
その上ニコラ・フラメルとか小ネタも沢山あって、情報処理がおっつかないよ!


新キャラ:ズーウーは最古の地理書・山海経に出てくる「すうぐ」がモチーフ。
若い頃平凡社ライブラリー版を読んでて良かった。
地理書とは言うものの、広い中国各地の様子を伝聞に伝聞を重ねたような世界観が面白くて、曰く「体に五彩の色をそなえた虎のような大きさの獣で、尾が体よりも長い」とか。麒麟と同じく、仁徳高い君主が生まれた時に現れる瑞獣らしいので、ニュートかダンブルドア先生またはグリンデルバルドの今後を暗示してるのかも。
一説にはジャイアントパンダが伝え広まるうちに、奇怪な神獣になっちゃったご様子。劇中ニュートが背中に跨がってるのがジャイアントなジャイアントパンダかと思うと尚愉快。


前作キャストがそのまま続投してる中、中年の魅力ムンムンだったコリン・ファレルが当たり前のように消えて、ジョニー・デップが珍しくガッツリ悪役。本物のパーシバル・グレイブスはもう殺されちゃってるのかしら? 予想はしてたけど、コリン・ファレルの出番が全くなくてちょっと可哀想。グレイブスとクリーデンスのBL二次創作を楽しんでた勢としては、どうにか再登板がないか期待したいところ。

エディ・レッドメインを筆頭に、ゾーイ・クラヴィッツら順調にキャリアを重ねる若手キャスト陣にあって、ジュード・ロウのラスボス感が素晴らしい! 「この人に頼まれたら断れない」って感じの好人物オーラがビンビン。陰険で自己中な悪役イメージもあるけど、こんなに柔和なキャラも演じられるのか!


96本目
somaddesign

somaddesign