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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生のmaverickのレビュー・感想・評価

4.7
前作が『ハリー・ポッター』という本編とは別の、同じ世界の中の1つの物語と感じたのに対し、続編である本作はシリーズの正史にがっつり絡んでくる。『ハリー・ポッター』のファンであればあるほど本作はたまらない出来になっている。重要なキャラであるダンブルドアが登場し、ホグワーツも出てくる。その他にも大きなものから小さなものまでシリーズに通じるものがてんこ盛りで、とにかくわくわくさせてくれる。それらは単なるファンサービスとしての盛り込みではなく、この世界の年表を綺麗に埋めていってるような自然な流れ。原作者自らが脚本に携わっているだけあり、世界観をさらに広げる壮大な物語としての作りが素晴らしい。より深くシリーズを知りたいと思うし、過去作全てを観返したいと思う。かといってファンでないとついていけないということも全くなく、純粋にファンタジー映画としてわくわくさせてくれる。日々進化するハリウッドの映像技術がこの世界の魔法を鮮やかにスクリーンに写し出す。主人公ニュートが出会う魔法動物の描写も相変わらず楽しい。前作のわくわくドキドキな新シリーズの魅力はそのままに、より『ハリー・ポッター』シリーズへの架け橋を強めた壮大なファンタジー大作となった。前作ではチラ見せだったジョニー・デップも今回はメインで暗躍。圧倒的な存在感でオーラが半端ない。かっこいいし、やっぱり上手い役者だなと改めて思う。ダンブルドアのジュード・ロウもぴったりな配役。前作から続投の人も本作からの人も皆上手いし、魅力を持った役者ばかりで人間ドラマとしても十二分に楽しめるのでシリーズ未見の人にもオススメ出来る。『ファンタスティック・ビースト』は全5部作になるらしいがとにかく楽しみ!最近のハリウッドは様々な作品がユニバース化されて、シリーズが次々とあちこちで作られているが、失望させられるものも多いなかで本作は非常に優れた作品で今後の期待値を大いに高めてくれた。次は2年後。待ち遠しいぞ!
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