ろ

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生のろのレビュー・感想・評価

4.4


すごい、驚いてしまいました。

ファンタジーの枠を越え、あらゆる教訓を詰め合わせにしたような今作。
登場するのは、まるで詐欺師のように人々の不安を煽り食い物にする集会に、生きづらさを感じなんとか居場所を見つけようとするマイノリティたち、愛と平和を語りながら戦争を仄めかす権力者、そして「女性は所詮花のような添えもの」な女性蔑視の一族まで、わたしたち観客の“真実を見抜く力”を試すようなものばかり。

愛に飢えた子どもが生み出すオブスキュラス、変身すればするほどヘビの中に閉じ込められてしまうナギニ、そして人と異なる能力を持つクィニーの孤独が胸に迫ります。
雨の道端にしゃがみ込むほど苦しむクィニーに、思わずヘルプマークを差し出したくなるほど。。

そしてめちゃくちゃビックリしたのは、未来を予言する映像の中に映る原爆のきのこ雲。今年は「犬ヶ島」につづき二度目、ハッと前のめりになります。


今回は「賢者の石」の重要モチーフが二つ登場。
ダンブルドアが鏡を通して見つめるもの、そしてあの不死身の錬金術師が・・・。
まね妖怪ボガートがニュートの旧友リタの心を反射したもの、フワフワと宙を漂うその正体に胸が締め付けられるようでした。



いままで描かれてこなかったダンブルドアの過去は?
姉妹対決はあるのか?
ジェイコブのパン屋はいま?
早くも次作の妄想が走り出しています(笑)
ろ