現在は生放送で感想中の丈兄丸

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生の現在は生放送で感想中の丈兄丸のネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

平ジェネに続いて鑑賞。
個人的にこの魔法シリーズや、パイレーツオブカリビアンといった、平成前後以降に生まれた世代にとっては恐らく誰もが容易く想像できる「ザ・ファンタジー」のド直球を描いた大作モノが、どうにも『予定調和すぎて退屈の極み』に映り、
私には最も愛称の悪いシリーズなのかなと遠ざけていた。

案の定、気まぐれで公開当時に前作を観にいったら、
退屈な上に超ご都合… と更に大嫌いなものが加味されてた(詳しくは私の前作のフィルマレビュー参照で笑)ので、
今作はついでの一応として、フリーパス以上に時間を勿体無く感じなければいいな…程度の気持ちで観てみたら……


超底辺だった期待値よりはずっと上回った、
私としてもまさかまさかの割りと好きな作りだった!!




まず何と言っても溜飲を下げてくれたのは、
前作で一番もっともな正論を言ったにも関わらず、あまりに唐突な後出しじゃんけんで悪役に仕立てあげられ、片付けられたジョニデが、
あのままで終われるかとばかりに、メインキャラとして逆襲してくれたことだろう!!

あくまで前作の中で唯一彼にしか感情移入できなかったし、別にとりたて好みのキャラというわけではないが、
何分前作ではあまりにご都合的で不遇な扱いを受けた彼だったので、
このまま何事もなかったかのように彼の存在が流されてたら、
今後どれだけ評判が高くなろうと、このシリーズに一見の価値すら見出だせなくなってただろうし、もはや憎々しい印象を持ったままだっただろう。


ただまぁ、今作でもまたご都合的な製作陣によって、
冒頭であっさりすぎるほど脱獄できちゃうわ、
過度な悪役構成・演出などで、
残念ながら前作ほどもっともなことも言わなくなり、感情移入しづらい・単なる記号的悪役キャラに成り下げられてしまったが…(苦笑)

でも前述通り、正直この製作陣なら無かったことにまでしてただろうとナーメテーターので、
そのまま流さなかっただけでも、そうじゃない展開とは一線を画すし、
とりあえず次作は見てもいいかなと思わせてくれるほど、大事な要因だったと思う。


次作以降では、是非一作目でやらかしたにも関わらず、反省しなかった上、強引なめでたしめでたしで逃げたニュートや魔法議会を揺さぶり、ぶっ飛ばしてくれることに期待…まではしないけど、渇望はしたい!(笑)



またこれは、より好みな話になるが、
ジュラワ2同様、一作目が王道な作り(今シリーズは歪んでたが(ry)に対し、
大きく雰囲気や作風を変え、シリーズの幅を広げる構成は、
悔しいが見事・私のような飽きっぽい人間にも「おっ…?」と最後まで興味を惹いたし、
またそもそも、今シリーズの魔法・ファンタジーデザインは、ダークな方向性のがずっと魅力的に映る味であったんだなと感じた。

先述したよう、今シリーズは根本的なストーリーと世界観の設定・核の作り込みが甘い(と私は感じてる)ため、
私のような本質的な部分を気にする輩には、そもそもポシティブや勧善懲悪な話の方が、逆にカタルシスを得るための筋書き・ロジック展開を厳しく見てしまう節があり…
ゆえに前作は、そのボロが余計ひどく映ってしまったんだとも思う。


が、今作のような、話が悪くなる一方のシンプルな構成なら、
前作では唐突・雑だったり、強引な起承転結・話運びをしなくてすむ分、全ての展開が盛り上げる要因となるし、
何よりこの暗めな物語や音楽・色彩などは、個人的には今シリーズの味と相性が良く、それが全編に統一されてたことで、
一映画として、前作より圧倒的にまとまりがあって見やすかった!


ただこれまた、それだけ壮大に引っ張ったことで、
次作へのハードルがより高くなってしまったのも否めないが…w


それでも、今シリーズは3部ではなく5部作らしいし、
2作目で早くもこの幅を持たせる作りにしたことは、
ダラダラと同じ趣向・姿勢を繰り返すより間違いなく挑戦的で有意義だし、
その製作陣の心意気は、いかに相性悪い私でも、きちんと評価しなければと思わせてくれる…

少なくとも私には、ファンタビ及び魔法シリーズを見直させる、大きなブリッジとなる一作だった!!