洋画好きのえび

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生の洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

3.8
家族のリクエストで鑑賞。公開時に劇場で鑑賞したものの、冒頭のグリンデンバルド脱獄シーンが、戦闘時の閃光のせいなのかほぼ何が起きているのかわからないくらい映像が全く見えなかったので、改めて家で鑑賞できて良かった。明るい部屋ではバッチリ見えました。何故劇場ではうまく見えなかったんだろう…

前作の動物いっぱいのワクワクアドベンチャー感は何処へ…と言いたくなるくらいの方向転換。ハリポタシリーズでは歴史として語られていたグリンデンバルドによる魔法界を二分する大戦争を描くダークで大人向けの物語になっていた。原作者のJ.K.ローリングによると、グリンデンバルドにはナチスのヒトラーと同じような要素があるらしく、彼の演説を聞くとなるほどと思う点がたくさんある。ヴォルデモートは自身を最強かつ最高の存在として信奉するよう求め、恐怖政治を敷く純粋悪だが、一方、グリンデンバルドは自身の望む世界を実現するために周囲を操るという政治的な思惑が強く、かつ、彼の思想は特定の人々にとって非常に魅力的かつ説得力のあるものであり、悪としてはこちらの方が邪悪で強敵だ。ハリポタリアルタイム世代が今では大人になっていることを考えると、悪役像をこのように変えてきたのは非常に上手いな、とまたまたJ.K.ローリングの発想力には舌を巻いた。大人になった今では、これぐらい複雑な物語でハリポタの世界が堪能できるのはとても嬉しい。
さらに、ラストではクリーデンスを巡る衝撃の事実が明らかになる。これから一体どうなるのか… 原作がない分、先が全く読めずに非常に楽しみである。

ところで、本作では若いダンブルドアが登場するけれども、あまりにもカッコ良過ぎやしないだろうか?このダンブルドアがどうやったらあのサンタさんみたいなダンブルドアになるというのか… 想像できない…ジュード・ロウ大好きだから無問題だけれども。早くジュード・ロウ版ダンブルドアvsジョニー・デップ版グリンデンバルドの魔法対決が見たい…