まっどまっくすこーじ

スーサイド・スクワッドのまっどまっくすこーじのレビュー・感想・評価

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)
4.3
≪DC エクステンデッド・ユニバース 3rd !!!≫

「バットマンvs.スーパーマン」の後、そして「ワンダーウーマン」や「ジャスティスリーグ」の前を埋める、スピンオフ的な作品。

賛否両論になるのは間違いないと思いますが、私は概ね「賛」のほうで御座います~♪(*´∇`*)


予告編が私的にツボだったので、かなり期待して待っていた映画。
(何がツボだったかは後述)

特に前情報は入れずにストレートに観ましたが、観る前のイメージとしては「ドタバタのお馬鹿映画かなぁ♪」って思ってました。

でも…

確かにお馬鹿だが、そのお馬鹿はメインキャラクターではなくて、≪正義という免罪符でハリボテにしたクソ国家のためと言って人を殺すことを躊躇わないカス野郎共≫でした。

つまりは最低なのは国家の中心にいると勘違いして権力を振り回す輩なわけです。

DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)の作品は「正義と悪の定義とは?」という命題を包含しているのが本作でも見て取れます。

ではメインキャラクターのほうはどうなのか?

「スーサイド・スクワッド」のメンバーは全員が犯罪者です。
犯罪者が減刑などの条件と引き換えに悪と戦う、という図式に見えます。

だが、本当にそれだけなのか…

その部分を考えていくと、かなり哲学的な話にも思えてきてしまうのが本作の不思議な魅力になっていると私は感じました。

逆に言えば、シンプルにエンタテインメントを楽しもうという方にとっては無駄の多い脚本に感じられるかも知れません。


なんにしても初めに書いたように、賛否両論だと思いますが、「賛」寄りの私の中でもいろいろ言いたいことがあります。

一番の不満はジャレッド・レトが演じるジョーカーの出るシーンが大量カットされたこと。

いや、このジョーカーが魅力に欠けるというのなら分かるんですよ。
でもね、ジャレッド・レトのジョーカーは予想より断然素晴らしいんですよ!!!
だから凄く勿体ないと思っちゃうんですね。

そりゃジョーカーといえばなんと言ってもすぐに思い浮かべるのは「ダークナイト」のヒース・レジャーですが、それはそれとして本作のレトも今までのニコルソンやレジャーが演じたジョーカーのイメージの殻を破る、魅力的なジョーカーを演じると同時に創造しちゃってます。
役作りのためにロシアまで行って、サイコな犯罪者や連続殺人鬼に会ってきたというのは伊達じゃないようです(;゜∇゜)

あとですね、カタナを演じてる福原かれんの台詞や演技がいくらなんでもアニメかぶれ過ぎでは…?(>_<)
まあ、わざとそういう演出にしているのでしょうけれど…
外人が見た場合、あれがウケるのかな?(((・・;)

あと、特攻服みたいなコスチュームの背中によく判らない日本語が書いてあったけど、読み取れなかった…(*_*)

福原かれんがダメとかじゃないのですが、私的にはカタナは釈由美子お姐さんに演ってほしかったなぁ…(笑)

それにカタナの過去シーンで、戦闘相手の日本語の台詞が日本語になってないという、いつもの≪ハリウッドよ!!いつまで日本を見下しているんだよ!!!(-""-;)≫パターンも哀しい…(*_*)


DCEUの映画って、夜のシーンが多いから暗いイメージがあるけど、本作は喜劇的要素が多いので表層的には明るく観られるような構成になっていると思います。

しかし、その裏では悲劇的要素もあり、前述したようなDCEU作品が持つ命題をちょこちょこ挿し込んでくる演出だと感じました。

主要な各キャラクターの一人ひとりに物語があるのですが、そこには尺を割かずにシンプルに分かりやすく説明があるだけで、とにかくキャラクターを動かすという演出には好感が持てます。

本作の監督はデヴィッド・エアー。
「フューリー」での演出は秀逸でしたが、他の作品も含め、どちらかというとドキュメンタリータッチな作風の監督さんだと思うのですが、本作ではまた別なエアー監督のセンスで演出しているように感じられました。

本作を作るにあたり、まずエアー監督が参考にしたのは「特攻大作戦」。
第二次世界大戦のドイツ軍司令部を壊滅させるために集めたのが12人の囚人ということで本作と共通しております。

あと、パンフレットのエアー監督のインタビューによると、「地獄の黙示録」とか「マッドマックス」にも影響を受けているそうです。

そうそう、本作のパンフレットはボリュームもあり、なかなかの内容でした(^-^)

本作の≪悪を悪でもって制す≫という図式は私的には「ワイルド7」を思い起こさせてくれました。
また、メンバーが逆らわないように首にナノ爆弾を仕込むというのは「ニューヨーク1997」のスネークをイメージしているのではないかと思われました。


さて、「インデペンデンスデイ リサージェンス」を断って本作を選んだ(というよりギャラがこっちのほうが良かったから…?)、我らがウィル・スミスが演じるのはデッドショット!!

百発百中のスゴ腕スナイパーで、ライフルでもハンドガンでもイケてます!!

ライフルはAR-15(M16)のカスタムモデルでカッコいい~!!
それにしても本来は狙撃用ではない自動小銃であるM16を使っているなんて、ゴルゴ13と同じで凄すぎる…(;゜゜)

ハンドガンはグロッグの17または18を使ってますが、両腕に仕込んだカスタムグロッグがカッコいいです~♪(*´ω`*)

ウィル・スミスの主演作のペースは多すぎず少なすぎずという良いバランスなので、今後もヒットメーカーでいて欲しい。


スースクメンバーの中で一番普通の悪党に見えるキャプテン・ブーメランですが、演じているのがジェイ・コートニーだとは予告編のときには気づかずに、キャスト調べるまで分からなかったというくらいでした。
それほどの役作りをしてきたということですが、その努力が実っているのかどうなのか判断し難いキャラというのが哀愁さえ帯びております…

私、コートニーは好きな役者さんなので、これに懲りずにいろんな役作りにチャレンジしてもらいたいです~♪(*´ω`*)


スースクメンバーみんな個性的ですが、中でも本作の真の主人公と言えるのがハーレイ・クイン!!!(≧∇≦)

こんなトチ狂った愛すべきキャラは私の大好物であります!!( ☆∀☆)
そしてハーレイとジョーカーによる、狂ってるが故の純粋な愛が痛々しい…( ノД`)

ハーレイ演じるマーゴット・ロビーがまたハマっているんだな、これが。
イカレポンチなんだけどエロ可愛くて、超攻撃的なんだけど一途な乙女というキャラに見事に同化してますぜ。
全く、どうかしてるぜ!!(≧∇≦)

ハーレイの使うハンドガンは超デコっていてかわいい~♪(笑)
恋人のジョーカーのハンドガンも超私好みの(つまり超イカれてる)デザインでした!!!(≧∇≦)


スースクメンバー全ては疲れたので書かないけど、メンバーを纏めるフラッグ大佐のことでひとつ。

フラッグ役はジョエル・キナマンが演ってるけど、本作の最初のキャスティングでは私のウルトラスーパースペシャルフェイヴァリットアクターであるトム・ハーディだったんですよねぇ…(*゜Q゜*)
でもトムハは「レヴェナント」のために本作を降りちゃった。
まあ、正解でしたけどね(^o^)

しかし、キナマンもロボコップを演ってるし、マッドマックスもトムハと共に候補だったし、そのトムハと「チャイルド44」で共演してるし、なんだかんだで今後が楽しみな役者さんであります。


ヴィラン(悪役)のエンチャントレスは変身するときに自分で「エンチャントレス…」って呟くんですが、なんか日本の特撮ものみたい(^^;)))

今、テレビで「仮面ライダー アマゾンズ」というのがやっていて観てるのですが、やはり変身時に「アマゾン…!!」と言わなきゃならないお約束なので、エンチャントレスを見ていてアマゾンを思い出してました(笑)


それにしても本作は所謂善人など出てこない、ある意味リアルな話に思えまして、大体からして一番悪は誰よ? と言うならば、それはやはりスースクを作った遣り手の黒人女性高官であるアマンダ・ウォーラーでしょう。
ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、とにかく「このクソアマが~!!(#`皿´)」と思ってしまうこと必至のキャラです。

アマンダ役のヴィオラ・デイヴィスが高い演技力でクソアマを演ってくれるおかげで、スースクメンバーへの移入がしやすくなる構造になっている訳ですね(^-^)


さて、初めに書いたのですが本作は予告編の時点でお気に入りでした。

何故かと申しますと、それはなんと言ってもクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」が流れて、曲の緩急に合わせてのシーンの編集が私的にツボだったからです~!!!(≧∇≦)

私が洋楽ロックを聴き続けるようになった最初の曲がまさにこのクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」だったので、この曲が流れるとほぼ本能的に反応してしまいます(*^^*)
もう40年前から聴いてるので、遺伝子情報に組み込まれているんじゃないかなと思っております(笑)

ただサントラに「ボヘミアン・ラプソディ」は入っているものの、それはパニック・アット・ザ・ディスコによるカバーヴァージョンなんですよね~…(T_T)

それにしても、この予告編の作りは良いと思います。
作られた方のセンスに乾杯!!(^_^)/□☆□\(^_^)


またもや、グダグダ駄文になってしまった…(>_<)

最後にひとつだけ…

本作はIMAX3Dで鑑賞しましたが、いろんな意味で良かったです~!!!(≧∇≦)

もしまだこれからスクリーンで観ようかと思われている方がいらっしゃいましたら、できるならIMAX3Dでご鑑賞して頂きたいです!!(*^^*)
(理由は下のネタバレコメントに…)


とにかく、今後のDCEUに期待を持たせるという役目をしっかり果たしていると感じた本作を是非~!!!(*´∇`*)