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スーサイド・スクワッドのTのレビュー・感想・評価

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)
4.5
マーベル見過ぎたんで、気になっていた本作を。

マイナス点から。

全体として、戦闘シーンには、ダレと勢いのなさを感じた。せっかくキャラが立っているのに、武器がうまく使えてない。スピード感がない。
ゾンビみたいなのが常に敵になるのは、アメコミ特有の勧善懲悪。

日本の繁華街の美術がまるでダメ。
これは、ブレードランナー2049が一番マシだった。
インセプションでも一見うまく出来てるようですが、鉄びんでワインを出す店は見たことも聞いたこともない。
キルビルもそうなんだが、やはり極東の辺国なんだろうか、、、
いっそ東宝やら東映が繁華街のセットを作ったらどうだろう?作品ごとに貸すとか。流石に、歌舞伎町貸すのは、無理だろうから。
日本人の皆が日本刀持ってるとでも思ってんだろうか?現実は模造刀でも逮捕モンなんだがなあ。
まあ、私たちも、マサイ族はみんなサバンナで暮らしてると思ってますから、お互いサマですが。

良い点は、まずとにかくジョーカーの若い頃です。とりわけ彼の部屋。勾配の緩い階段に酒ビンがズラリ、刃物がぐるり、子供服にパソコンがビシッと。
ピンクのファー、ピンクのソファとピアノ以外、家具らしきものと生活感のまるでない、ヴィヴィアンウェストウッド真っ青のお部屋。若かりし頃のスティーブ・ジョブズもビックリでしょう。

犯らなきゃ殺られるゴッサムシティ。だれがこんな街にした。

ジョーカーは、ヤクか廃液の貯槽にクインと一緒にダイブ。更に追いかけます。チヌークすら乗っ取って、M134でタマをブチまけながら救いに来ちゃいます。

''ハーレイ クイン''の狂気と時折見せるマトモさ。無垢です。
一瞬かいま見えた幻覚には、ジョーカーと所謂「普通」の家庭を夢見ているのです。
更に、ジョーカーが死んだと思い込んだところで、雨に打たれながら寂しそうにしますが、仲間が現れた瞬間、外向きのクレイジーッぷりをさらけ出し、デッドショットに抱っこされますが涙は流しません。
つ、強い。

考古学者に憑依したミドリのおねいさんは怪しく尻振りダンスしながら、ヤバい雲みたいなのブワーッて。目ん玉までミドリ色で、お好みの幻覚を見せてくれます。
ヤツに支配されちゃうと、はたからみると、ゾンビになっちゃってるんですが、しょうがないです。

メキシコの鮮やかなタトゥーのお兄さんが救い難いトラウマを持ち、一番マトモで、裏ボスだったのは、彼の国の大問題に対するDCの回答だったのでしょうか?

デッドショットは、マトモです。最初からマトモなのは、娘の存在があるからでしょうか?

プロの軍人さんは、至って強気ですが、あくまでも劇中では弱いです。但しその職業意識は高い。

ブラックハットにも出ていた、ボス。
「神」は、いかにも国家機密です。服装から顔まで、ザ・国家機密。
ティルダスウィントン並みの圧倒的支配感。
最後は、この国家機密のオドシでみな、
まるでとなりのトトロのサツキとメイの如く「夢だけど!夢じゃなかった!!」とプチ幸福とともに、刑務所に戻りますが、執念のサイコ、ジョーカーが追っかけてきます。

続編を期待してたんでしょうが、酷評の嵐なので無理でしょう。

そうやって、維持している、一番の国アメリカです。良くも悪くもパクスアメリカーナ。
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