2017/10/11
あの花のスタッフが再結集して作り上げた、心を揺さぶる完全オリジナル青春群像劇。
むかーしむかし、あるところに、とてもお喋りでとても夢見がちな女の子がおりました。その女の子はお山の上にあるお城に憧れていました。女の子は夢見ます。いつか私も素敵な王子様とお城の舞踏会へ。
お城=ラブホ
〝じゅんは本当、口から生まれてきたのね〟
お母さんはお父さんのごはん作り。
そこに、
〝パパがね。お城から出てきたの!〟
〝お城...?〟
〝うん、お山の!パパ王子様だったの!お姫様はママじゃなかったけど、ママ、ご飯作ってたから舞踏会行けなかったの?あ、もしかしてママ魔女だったりするの?でも、きっといい魔女ね!悪い魔女はもっと...〟
口に卵焼き。
〝じゅん、それ以上喋っちゃだめよ。それ、誰にも喋っちゃダメ。もう二度と、喋っちゃ、ダメ。〟
そして、お腹の出た王子様はいい魔女に住処を追い出され、泣く泣く、王女様の元へ。
〝ぱぱ、ねぇ、どこ行くの?ねぇ?あのね、ママと喧嘩したんならね、じゅんがね仲直りさせてあげるだからねパパは今まで通りに...〟
〝じゅん、お前は、本当にお喋りだな。全部、お前のせいじゃないか...〟
〝じゅんの王子様はこんなつるつるじゃないし、おならの匂いもしない。〟
タマゴまでお喋りだと言われる。
お喋りをやめろと言われる。
〝黄身も白身もグチャグチャのスクランブルエッグだ。〟
たまーごーにーささーげよー
びゅてぃふぉわーず
ことばをーさーさーげよー
千客万来?
直訴状。
アラウンドザワールド←
メールでやり取り。
歌なら呪い関係ないかもしれないし。
たまーごーにーさーさーげよー
びゅてぃふぉわーず
ことばをーさーさーげよー
おなーかがー痛くない!
わたーしーはーやれーるよー
ふあんはーあるけどーきっとでーきーるー
歌なら痛くないんです。
〝付き合えよ、俺と。〟
ソッコーでフラれる。
〝お母さんのいない時に出ないで。みっともない。喋んない子っていんなところで噂になってて...〟
言いたいことを歌にしたい。
主役って成瀬じゃねーの?
処刑されて、首から言葉がでる。
ごんぎつねみたいなラスト。
失った言葉が叫び出す。
愛していると叫び出す。
両親のことについて聞く。
ラストを変えたいって。
全く違う歌を一緒に歌う
〝あたしの王子様。〟
なに人の気持ち勝手に決めつけてんだ。
君は心がお喋りなんだよ。
〝さぁ、いよいよ、スクランブルエッグだ。〟
無理だよ。もう歌えない。私の王子様はもういないから。
叫ばせないで、またお腹痛くなっちゃうじゃない!歌ならいいとか。ダメだったんだ。喋ったり心が喋ったりやっぱりダメだった。タマゴの言う通りだった。喋ったりするから不幸になった。
卵なんて最初からいないだろ!
いるもん!
いない!
いる!
いない!
いないと困るの!
舞台もめちゃくちゃにして、家もめちゃくちゃにして、私のお喋りのせいじゃなかったら、なんの、なんのせいにすればいいのどうすればいいのよ。
お前、可愛い声してるよな。もっと喋ってくれお前の本当の言葉ってやつ俺にくれよ。
俺を傷付けていいよ
傷ついてもいいからお前の本当の言葉もっと聞きたいんだ
さかがみたくみ、さかがみたくみ、さかがみたくみ
涙←
〝せい〟じゃなくて〝おかげ〟
わたし、さかがみくんのことがすき
ありがとう。でも俺、好きな人いるんだ。
うん、知ってたよ。
〝ミュージカルには奇跡がつきものだろ?〟
卵の中には何がある?
いろんな気持ちを閉じ込めて
閉じ込めきれなくなってばくはつしてそして生まれたその世界は
思ったより綺麗なんだ