ゆき

イロイロ ぬくもりの記憶のゆきのレビュー・感想・評価

イロイロ ぬくもりの記憶(2013年製作の映画)
3.7
澄みきらない空気と、煮え切らない感情。

シンガポール人の一家。共働きの両親を持つわがままな少年の元に住み込みのメイドがやってきた。メイドのテレサと少年ジャールー、そして家族の時間を描く。

親だってただの人だから疲弊した先には嫉妬もするし感情のゆがみもしょうがない。
憎たらしいジャールーがどんどん愛らしくなっていく変化も人と人の交流があっての変化。
たまごっちにひよこに鶏肉に。気付くとにやっとしてしまうようなちょっとした遊びも見受けられて愛嬌の溢れた作品でした。
決して澄みきった空気の作品ではないけれど、人間らしい一作。
ただ、日々のため息にも似た「生活しなきゃ」という感情から少し角を取って丸くしてくれるような暖かい時間でした。
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