中産階級ぶたくんを舐めるな

エル・トポの中産階級ぶたくんを舐めるなのレビュー・感想・評価

エル・トポ(1970年製作の映画)
5.0
【20世紀以降に生まれた全人類必見・必聴のヒューマンフィロソフィー、ウエスタン、ロマンス、ロードムービー】
この作品の前でスコアなどという映画を評価する数値は意身を成しません。(便宜上の☆5、本当は☆無量大数)
アレハンドロホドロフスキーは数少ない存命の"ほんとうの"芸術家です。
僕ごときクソガキが論評、称賛するに値しないほど恐れ多い作品なのです。((僕が手掛けた高校の卒業アルバムのクラスページはホーリーマウンテンへオマージュを捧げました!というドウデモイイ話))

僕解釈のあらすじのみ
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7歳になった全裸の息子と旅をする主人公エルトポ。
傘をさして馬で砂漠を歩くポスターのシーン、そう、僕の大好きなローンレンジャーがオマージュを捧げた有名なシーンです。
エルトポは息子を見捨て、エロい姉ちゃんと砂漠にいる銃の達人4人をぶっ倒して銃王になるという話
が前半。
後半は死から目醒めた主人公が洞窟を出て、小人症の彼女と洞窟に閉ざされた奇形の家族を助けるためトンネルを掘る。ために町に繰り出してお金を集める話。
このパートはかなり監督自身の実人生が反映されているようで
大道芸や小ネタをしたり、運搬をしてお金を稼ぎます。

前半の西部劇では盲目のガンマン
手のない男と足のない男がおんぶ紐でユナイトしていたり、マジのライオンと暮らしている親子、、フリークスを映画に出すことで独特な違和感が醸し出されます。
これは障害者への偏見を逆に捉えたとても有効な演出でした。
そして後半、別の映画を観せられているのか。そんな錯覚は衝撃の再会により覚めます。

そしてティック・クアン・ドック

ウォッチメンのオープニングシーンでも映像がありましたが、彼のあの行動は20世紀を代表する大きな事件で、この映画のエンディングも差別の厚い壁を経て、ここへ辿り着くのは深い精神へ問いかけられます。
父と子の話であり、
自己犠牲と狂信的な信仰へのブラックな風刺と宗教差別、人種差別の背中合わせ。
((宗教色で言うと、キリスト教ではなく仏教です。いや、宗教の総括と言った方が正しいと思います。))


ホドロフスキーが自らの人生と20世紀の歴史を振り返った代表作。
観ない人間は人間じゃない‼️‼️
断言できる映画の枠を超えた芸術作品の真骨頂、死ぬまでに一回観てください‼️死んでからも観てください‼️