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スリー・モンキーズのRのレビュー・感想・評価

スリー・モンキーズ(2008年製作の映画)
4.5
すっげーーー!!! 表現力の映画や! 謝礼金のために政治家セルヴェトの罪をかぶり、刑務所に入るユエップ。服役している間、息子のイスマイルは大学受験に失敗して、無為な生活を送り、奥さんのハジェルは、セルヴェトと不倫し始める。この3人の恐ろしく危うい関係性の変化を、すさまじい表現力で描いていく。も、とにかく、映像と音響がすばらしい。コントラストの効いた陰翳の深い映像と計算しつくされた構図に目を奪われ、選りすぐられた音だけがやたらと強調されて耳に残る。特に、雨や雷鳴や電車や祈りの歌と、3人が息を吸っては吐く音が、いろんな想像を掻き立てる。しかも3人とも顔がすごくよくて、特に奥さんが顔に浮かべる表情の濃さがヤバい。始終淡々とスローペースで、不穏でヘヴィな空気感が漂い、自分の憎悪する人間の忌むべき行動を、自分が繰り返してしまうまでのドラマをジワジワと描きだす、深い、ダークな味わいの一作やった。着信の歌にはちょっとわろてもたけども。あとブラザーがホラー。
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