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ピエロがお前を嘲笑うのRAYのレビュー・感想・評価

ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)
3.6
これだけのタイトルとトリックを前提とした作品を観てしまうと、期待をするなと言う方が無理があるのかもしれません。

先に感想を述べるのであれば、面白かった。
本当に面白かったです。
ただ、その期待値の高さを上回ったかと聞かれると、それはそうではありませんでしたと答えなければいけません。

それでも、前評判の高かったトリックの部分に関しては、やはり「なるほど!」となりましたし、僕は騙されました。


ところで、『ピエロがお前を嘲笑う』というタイトル。
非常に興味深いタイトルでした。
この映画に興味を持った理由だって、このタイトルに惹かれたからです。

“ピエロ”には色んな意図があると感じます。
だって、少なくとも何かを“隠して”いるから。
隠しているのは顔だけ?
それとも?
色んな事を思わせられます。

この映画にも、“何か”はやはり隠れていたと感じました。
それはトリックだけではありません。
隠れた感情です。
実は、そのことには映画を観終えてから気付くことになったのですが、もしも、予め“騙される”と言うふれこみにだけ期待せず、人間模様についてもう少し注意深く観ていたら、もしくは、もう一度観てみたら、きっともっと面白いと感じたかもしれないと思います。

なので、これからご覧になると言う方は是非、その辺りも楽しみにながら観て頂くと良いのではないかと思います。


僕は生きてきた中で色んな仮面を被ってきました。
“僕は”ではなく、恐らく、ほとんどの方が時に仮面を被りながら生きていると思います。
仮面を被るって、何となく良く聞こえないときがあるけれど、それは決してそうではないとこの映画を観てあらためて思います。
自分を殺す為に仮面を被ることもあれば、誰かを守る為に被る仮面だってある。
少なくとも、誰かに“見せる為に”仮面はある訳でなく、それがその人なりの心なのだろうと思うのです。


観て良かった。
RAY

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