AtushiMachida

ここに泉ありのAtushiMachidaのレビュー・感想・評価

ここに泉あり(1955年製作の映画)
4.0
子供の頃、母親が群響は凄い楽団なんだって熱っぽく語っていたのを思い出した。当時はよく分からず話を聞いていた。この映画を見てホントに群響って凄いんだなって思った。何が凄いって、お金にならない、生活が成り立たない、そして先が見えない、そんな中でもやり続けた執念が凄い。右葉曲線ありながらも、続けた結果が全国でも屈指の楽団を作り出した。なぜ彼らがやり続けることができたのか?それは根底に「愛」があったからだと思う。音楽に対しての愛。心底、音楽が好きだという思いがあったからこそ続けることが出来たのではないかと思う。だから、好きな事を追求することって人生ではすごく大切なんだなあって感じた作品。

それから、ハンセン病の保養施設と思われる場所を訪れ演奏するシーン。静かな大喝采がとても良かった。撮影当時でさえ偏見や差別が色濃く残っていたであろうと思われる中であのシーンを残したということはとても意味があることだと思った。
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