ボナペティ男

ニンジャ・アベンジャーズのボナペティ男のネタバレレビュー・内容・結末

ニンジャ・アベンジャーズ(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 これ、忍者じゃなくてよくね? 前作より忍者度薄まってね?

 前作『NINJA』から時は経ち、ケイシー(スコット・アドキンス)と波子(肘井美佳)は結婚し、波子のお腹には新しい命が芽吹いていた。晩ご飯の餃子を食べながら、ペンダントをプレゼントするケイシー。幸福のシンボルに喜ぶ波子。餃子を食べた後にキスをする二人。餃子食べた直後に。ニンニク摂取したのに。
 波子のお使いに、チョコレートと海苔スティックを買いに出かけるケイシー。財布を忘れたことに気づき家に戻ると、そこで横たわるのは扼殺された波子の姿だった……。
 タイで武術館を開く中原先輩(ケイン・コスギ)の助力を得、波子の首に残された索状痕と傷痕から、使用された武器が万力鎖であり、ゴロー(菅田俊)という男が関与していることを知る。
 波子の復讐を誓うケイシー、殺された兄の復讐に動くゴロー。復讐に動いた奴らが二人いればアベンジャーズでいいんじゃねーの?

 肘井美佳の英語がより流暢になっていた。スコット・アドキンスの日本語は変わらないけれど、滑舌の悪い日本人の役者さんより大分聞き取れる。不思議。ケインはずっとセンチュリー21。
 冒頭の修行する門下生のシーンが完全に前作と一緒で笑えた。
 場面が日本やらタイ、ミャンマーと目まぐるしい。

 ナイフを持った強盗戦。初っ端からスタイリッシュ。スピード感あるアクション。受け流し、いなしながらの反撃。
 空手道場での乱戦はカンフーの雰囲気あり。投げからの突き。イップマンでよく見た。
 中原の武術館での模擬試合は柔道、柔術、剣術もりもり。相手役のルーカス(ジョード・エル・ベル二)もよい動き。不意に食らった正拳にブチ切れケイシー。不動心はいずこ。「武田先生ノ教エヲ忘レタノカ?」とケインも苦言。
 屋外にあるバーでの乱戦はテーブルやらなんやら環境の利用もありつつ、スコット・アドキンスが十八番とするクルクル・アクロバット・キックの応酬。
 駐車場で麻薬の売人らとの一戦。飛び道具で始まり、スタイリッシュ且つ、あっさりと返り討ち。

 終盤、残り30分で忍術道具一式を手に入れる。印を結んでやっと忍者感。吹き矢、鉤縄、手鎌を使い、黒装束で影から影へのアジト潜入。やっと忍者感。そして手榴弾。忍者感は灰燼に帰す。
 ゴローの腹心との一対一は迫真。忍刀とナイフで始まるけれど、得物なしの蹴り合いがめちゃいい。達人過ぎる。
 ゴロー戦は万力鎖あり、刀ありの忍者勝負。ただすんなりと終わってしまう。

 ケイシーはふと気づく。あっ、黒幕は先輩だ! スコット・アドキンスvsケイン・コスギに発展。そりゃそう。ここまでケインのアクションが未見だもの。とんでもなく面白いタイマン。ダイナミックさで言えばアドキンスだけれど、ケインのスピード感は半端ない。多分体幹が化け物。パーフェクト・ボディやんけ。回し蹴りやばい。あらゆる得物でのアクションもあり、見応え抜群だった。

 ストーリーなんかどうでもよかった。内容だけでいえば退屈も退屈。気になる部分もあちこちにありすぎる。
 プロ野球チップスのトレカがアクション・シーンだとしたら、ストーリーなんか包装。ただただ半端ないスコット・アドキンスを堪能できたから、もうお腹いっぱいです。

 スコット・アドキンスにはボーン・シリーズくらいに本格的なスパイ・アクションとか出演して欲しいなあ。

 "Thank you, SENPAI"
ボナペティ男

ボナペティ男