イチロヲ

赤い暴行のイチロヲのレビュー・感想・評価

赤い暴行(1980年製作の映画)
3.0
売れないロックバンドを率いている青年(高橋不二夫)が、熱心なファンの女子高生(紗貴めぐみ)との出会いを契機にして、自己顕示欲の刷新を迫られる。若手ミュージシャンの自己相対化を描いている、日活ロマンポルノ。

当時、活動していたロック・バンド「デビル」が本人役で主演している作品。視野が狭いうちにデビューした青年たちの、無軌道な日常生活がリアルに描写されており、みうらじゅん・著「アイデン&ティティ」を想起させるものがある。

男性視点の青春ドラマが下地になっているので、映像内の女体成分は希薄。紗貴めぐみが無理やりパンツを脱がされる場面で、彼女の前貼りが見える(ような気がする)ところが、唯一の注目ポイント。

また、「ロックとは何ぞや?」という問い掛けに答えることもしないため、若干ながらモヤモヤが残る。主人公が自分自身を客観視しながら「自分自身に対する怒りを表した楽曲」を製作するという展開にしたほうが、意に適うものになったかも知れない。
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