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日本のいちばん長い日の教授のレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)
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いやぁ。痛快なくらいに面白くなかった。どうやってもオリジナル版との比較をしてしまう。
まず、オリジナル版を観た時、睡眠不足で朦朧としていた。
にも関わらず映画がはじまると頭がシャキッとして映画に魅了された。

本編のほとんどは、実は会議ばかりの映画。
しかし、あの戦争はなんだったのか、戦争によって何が残ったのか、戦争を終わらせるだけでこれだけのことが起こった、そして、結局のところ、なんだったのか、が描かれる。
が、このリメイク版にはそれらのすべてがまったくと言っていいほどにない。

戦争がどんなことだったのかという質感もなく、ただ、「台本上の設定」が進行していくだけだ。

松山ケンイチのキャラクター設定や、侍従たちの笑いのシーンらしきところも、「今時」の引きの笑わせ方で狙い澄ましてちっとも和まない。 「映画」というものが大衆に向けてこうも説明的で媚びなければいけないのか?という出来。
偉そうに物々しく物を語っても。
中身がなさすぎるのは、要するに人間の感情を描いていないからだ。

その点、昭和天皇を演じた本木雅弘や、クーデターを起こす畑中少佐を演じた松坂桃李以外は。
なんの感情移入もできなかった。

役所広司とか出しておけばいい、と思うなよ?
演出的に「サザエ」の話だけ、痛快でした。
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