片腕ファルコン

ひそひそ星の片腕ファルコンのレビュー・感想・評価

ひそひそ星(2015年製作の映画)
3.2
東京フィルメックスにて。

今年、怒涛の4連続メジャー映画を公開させた鬼才・園子温監督。
今作はこれらの商業映画とはだいぶかけ離れた所に位置付けされるプライベートな作品である。

貧乏臭い木造アパートのような部屋から始まるオープニングのそれは実は宇宙船で窓際にはコンピュータが散りばめられていて、『2001年宇宙の旅』のHALのような会話できる人工知能も搭載されている。
どうやら人類が絶滅危惧種として認定された近未来らしい。
園子温の奥さん・神楽坂恵が演じるのは様々な星へ行って荷物を届ける配達アンドロイド・鈴木洋子。

物語のほとんどはこの宇宙船での彼女の1人芝居である。
そして何回か降り立つ星の舞台は福島。
園子温は『ヒミズ』の時から被災地を撮影場所に選んでて『ヒミズ』の石巻市のシーンは震災からいくらも経ってなくて正直不謹慎だろって思ってました。
そこから監督は作品の中で幾度となく被災地、特に福島を撮影場所に取り入れています。

今回の福島も震災直後にまとめて撮ったものなのかなと思ったら去年の福島というから驚いた。全く復興していない殺伐とした町がそこにはあったからだ。

監督は福島には特別な思いがあって撮り続けているのでしょう。もちろんそこに風化させない思いも込めて。

もう一つ特徴的なのが、タイトルにもなっているが、人工知能、アンドロイド、星に住む人間も含めて全員ひそひそ話である点だ。ひそひそ話す事でより宇宙空間の静けさが強調されるし、何か起こしてはいけない誰かに気を使っているようでもありました。勝手な解釈ですが。。

そして迎えるエンディングはベタと言えばベタであるがタダでは転ばない園子温節がありました。

まぁモノクロですしヒソヒソ話ですし派手さは一切ありません。眠気も誘うでしょう。(誘われました)

オススメかと言われればちょっと、戸惑いますが、これも紛れもなく園子温作品って感じなのでファンの人はまず見るべきしょう。
来年の5月、都内ではシネマカリテで公開するらしいです。

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以下、全く映画と関係ない日記。
(急にフザけます)

映画の後半からモーレツな腹痛に見舞われ静寂の中席立ちたくない…エンドロールまで待とう。。まさかのエンドロールないパターン。そのまま園子温、奥さんのQ&Aに突入。ちょっと出ようかな。。まさかの隣の人が質問した。園さん含め全員こっち見てるー。
何とか最後まで耐え抜いた私。トイレに駆け込み、しばらく出られない。。
全てを出し切り笑顔で出ると当然客はみんな出た後で、業界の方しか残ってねー!
目の前に園さんいるー。まぁ外人さんとしゃべってるからスルー。栗原類君がいるー!全然キモチ悪くないー美少年すぎるー。
一人、照明当たってる訳でもないのに天然の光を放ってる人がいるぞー。斎藤工だー。中央線沿いで見かける情報あるけど全然中央線っぽくねー!
とりあえず場違いだ、帰ろー。
エレベーター待ちに叶美香さんいるー!真っ赤なドレスー!生・美香さん『アレックス』の試写会以来13年ぶりー!しかもエレベーターの中でとなりー!直視できないけどオッパイの膨らみだけは横目で見ると写り込むー。エレベーター故障しろー。途中から人いっぱい乗ってきたー。僕の肘とおっぱいの距離15cmー!ちょっと動かすと当たるー!理性が勝ったー!当たり前ー。

取り乱してすいません、以上が僕の東京フィルメックス映画祭でしたー。