きゃん

あんのきゃんのレビュー・感想・評価

あん(2015年製作の映画)
3.8
小さなどら焼き屋で粒あん作りを任された元ハンセン病患者の女性の姿を描く。偏見にさらされ続けても明るく精一杯生きようとする女性の姿を通し、人はなぜ生きるのか、運命を受け入れて生きるとはということを問いかけている。

主人公の徳江を演じる樹木希林さんが素晴らしい。ただただ自然に穏やかにハンセン病患者を見事に演じきっていた。最後の徳江のメッセージは強く優しく生きてきた徳江を象徴しているメッセージで胸に刺さった。彼女を取り巻く、どら焼き屋の店長の永瀬正敏、どら焼き屋の常連客の中学生ワカナを演じる内田伽羅、徳江の親友の佳子を演じた市原悦子もそれぞれ存在感を示し、良い味出してて良かった。

徳江の「私はあんを作るときに小豆の言葉を聞くの。どのようにしてここまで運ばれてきたかの話を聞くの」というセリフが印象的。
その人がどんな想いでどんな人生を送ってきたかは傍目では分からない。見た目で判断し、人から聞いた噂を信じ偏見を持つ。私はハンセン病については詳しくは知らない。授業で長い間に渡って隔離された人がいるのを習ったくらいの知識しかない。その人自身を、その人が抱えていることを正しく理解していきたいと強く思った。
映画を通して自分の知識のなさを痛感することがよくある。映画から学ぶことは多い。いろんなジャンルの映画を見ていきたいなと改めて思った。