みちろう

あんのみちろうのレビュー・感想・評価

あん(2015年製作の映画)
4.1
どら焼き屋を1人で営む兄さんの所へ現れたお婆さんのあんに対する想いとハンセン病。

映像がなかなか良かった。個人的だけどロケ地が地元で撮影されていて見慣れた景色が画面に映るのが嬉しい。ここはどこら辺だろうと考えたり普段は気に留めない風景が違った角度から取り上げられてるのを観て地元の新しい魅力を発見したりと映像美プラス色々と楽しめた。
タイトルになってるどら焼きのあんがめちゃくちゃ美味そう。あんを仕込んでいる場面の音と映像が生き生きしていてどら焼きが今すぐ食べたくなる。

ストーリーは王道ヒューマンドラマって感じでそこは問題なかったけど物語の運び方がやや強引で微妙に不自然に見えたのが気になった。物事が上手くいき賑やかな前半は面白かったが後半から観る側への感動の訴えかけが段々顕著に現れてくるのもそういうのが苦手な自分にとっては、ごめんなさい、うっとおしかった。ハンセン病患者の描写も感情移入するにはちょい物足りない。振り返ると色々とうーんと言いたくなる場面が多め。

否定的な感想がちらほら挙がってしまったけど、上にも書いた地元を映画で観れたことの嬉しさ、ハンセン病への理解を改めて深めるきっかけになったこと、囚われた環境から抜け出そうとする人たちを観て前向きな気持ちにさせられたことなどなど得られるものがあって、全体的には観て良かったと思える映画だったことは間違いない
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