このレビューはネタバレを含みます
檻の中に閉じ込められた人たち
多額の借金で
ハンセン病で
未成年で
鳥かごで
設定も良く、キャラクターも良いのだが、主人公の男の心情が描き切れていない。
ちょっとどころではなく、だいぶ描き切れていない。
そんな印象を覚えた。
売り上げが落ちてくばかりというオーナーからの圧力、どら焼きを心の底では軽蔑しているという初期設定が生む「あん」に巡り会えた時の衝撃、ハンセン病の無理解・無知から来る恐怖と嫌悪を徳江に向ける(女子中学生に調べさせるのではなく)、徳江を金づるとしてとしか捉えていない店長の人でなしっぷりを出すとか、「守れなかった」昔の仲裁の喧嘩に因縁を持たせるとか、、、
惜しい作品であった。