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あんのchelseaのレビュー・感想・評価

あん(2015年製作の映画)
5.0
とても良い映画だった。自分にとっては永瀬正敏の演技が今まで観た彼のどの映画より一番破壊的だった。物語そのものが感動的なので恐らく誰がやったとしてもそれなりに泣けただろうし、他の監督でもテレビドラマだったとしても成功するんじゃないかと思うけど、これが映画じゃなきゃいけなかった理由をこの映画はたくさん持ってたと思う。まず第一に永瀬の存在感。あれが圧倒的ベース。あれがないとその他の何もかもが台無しになってしまう。そして樹木希林の佇まいの美しさ。光や音を感じる時の透明感。何度も泣いた。それから希林の孫のクッション性。へたっぴな日本語。森の中にある隔離施設、どら焼きテロ、物語のプロットやあんというタイトルセンスなど、すべてが時計仕掛けみたいに働いてた。お金を出して観るべき邦画だなと感じた。たくさん泣いたのになんでこんなに心地良いんだろうと考えたら誰も怒らないし誰も怒鳴ったりしないからだった。
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