うみがめ

あんのうみがめのレビュー・感想・評価

あん(2015年製作の映画)
4.5
「何かになれなくても、生きる意味はある」
樹木希林さん演じる徳江さんのとつひとつがズシリと響く。

1996年で終わったように思われる問題だけれど、公民権問題みたいに"差別"はそう簡単には無くならない。個人的には生まれる前の話だから漠然としか知ろうとしてこなかったこと。恥ずかしいことに、この映画の話題で初めてちゃんとライ病の「存在」を知った。

キャストを背中から映したり何気ない動作を淡々と撮ることで、複雑な想いの変化が緩やかに描かれているように思う。
徳江さんの餡を食べて間髪いれずに二口目を口にした店長さんのシーン、芝居がからずに紡がれる会話のシーンが良い。

くすりと笑えるユーモアを挟んであるから重くなりすぎずに観られるのか。
うみがめ

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