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あんのromioのレビュー・感想・評価

あん(2015年製作の映画)
4.3
フィルマークスで検索する時に、樹木希林から探す本作品。あん。
題名はどら焼きのあん、から。
舞台は街中にある小さなどら焼き屋さん。
桜散るその季節に、バイト募集でやって来たのは、少し手が不自由なおばあちゃん。

まさに和菓子の甘さを体現したような上質な作品。絶品!

樹木希林を作品の中で観ると、安定感がありすぎて、あー樹木希林いるなといつも思ってしまいます。
しかし、今回の樹木希林は素晴らしかった!!役に馴染みすぎ。見ていてまったく違和感なく。ただただ言葉一つ一つが胸に響き、心地よかった。

朴訥とした主人公の感情表現であったり、女の子の存在感というのも絶妙で。多くを語りすぎず。一つのあんをきっかけに少しずつ変わっていく彼らの姿と、その物語のテンポがよく。俺たちのこころに沁み入ってくる。
あんこは小豆からできあがる。
その小豆は畑に植えられて、晴れの日も雨の日もたくさんの日を過ごして、たくさんの経験をして、人から人へ、そして今目の前にやってきて。
その全てを愛しむようにしておばあちゃんによって作られるあん。
それは人の心と同義。
どら焼きでいうところの、まわりの部分もあんの部分もともに素晴らしい作品だった。

映画を見た直後よりも、思い返せば思い返すほどに、味わい深くなってくる。
エンドロールに入ってからの余韻がたまらない。
かなりおすすめ。ゆっくりとした時間に落ち着いてみたい。