このレビューはネタバレを含みます
◎
満たされて。煮込まれて。つやめいて。
もう、見とれてしまうくらいに。
「あん」のその甘さが、美味しさが、
映画を眺めているだけでいい。伝わってくる。
映画の中に差し込む「光」は、あまりにもあたたかくて優しい。
「どら春」の小さなお店の中に広がる、光。
四季で移り変わって行く木々とともにある、光。
何者かになろうとして生きている実感がある。
何者かになれと社会に言われているような気さえする。
そんな時こそ
様々なものの持つ言葉に、耳を傾けて。
あなたにとっての、陽の当たるところで。
○
どらやきを一緒に食べよう、と言ってくれたおばあちゃんに、
「『あん』を一緒に観る?」と声をかけていました。
観るなら今日だろう、と思って。
こうやって、大切な映画が増えていくなあ……。。
「あん」を作っているときの徳江の言葉が大好きです。
なんだか、松浦弥太郎さんの『おいしいおにぎりが作れるならば。』を思い出しました。