大好きなお花の一つである桜から木漏れる太陽の光と、
穏やかな川辺で、美味しそうなたい焼きの匂い。
無駄な手つきの一切ない作業と
同時に無駄なカットが一切ない。
自然に、計算されたかのような綺麗な料理シーン。
きりんさん演じるおばあさんは
おばあさんの知恵をよく知っていて、
"ぶつぶつ話す"がまさにそう。
彼女の落ち着いているけど、不器用な声色に
聞いている側も一生懸命、耳を傾けてしまう。
ハンセン病というテーマ
どら焼きの実にあたる大切な"あん"
植えられた桜
何でもない人が、世界の片隅で生きている
それぞれの人生に耳を傾けながら、
黄色い鳥を放してあげよう。
大変なことも苦しいことも
世代を超えて性別を超えて分かち合って
遺されたものに、幸せの光が木の隙間から溢れて照らし続けますように。
