Kyasarin

あんのKyasarinのレビュー・感想・評価

あん(2015年製作の映画)
4.0
初日舞台挨拶にて鑑賞。
#あん 河瀬監督特有の自然の映し方がとても美しい。木々の息遣い、桜の揺らぎ、せせらぎの音、太陽、草、鳥のさえずり…東村山で撮影されたのに奈良で撮られたかのような映像でした。

樹木希林さん、素晴らしい女優さんです。初めの方の生き生きとした姿から老いてゆく終盤の顔は全く違います。
永瀬正敏さんはただただカッコ良い。
希林さんのお孫さんの伽羅ちゃんも自然体で良い。横顔がお父様のモックンに似てました。市原悦子さんも素敵。
意外にも予告編でお見かけしなかった脇役もすごくて、伽羅ちゃんのお母さん役に水野美紀さん(美しかった)ちょっとしたスパイス?(笑)の悪役風なのに浅田美代子さん、浅田さんとても良かったです。や~な感じ出てました(笑)

店長さんと徳江さんとの関係は、勿論人間としての絆なんだろうけど私には淡い恋の様な関係にも少し見受けられられました。そのくらい樹木希林さんが可愛いのです。永瀬さんも気恥しいようなお芝居するし(笑)その関係は、親子でもあり、家族でもあり、いろいろ捉えられると思います。

会場では店長さんと徳江さんの噛み合わないやり取りに笑い声が要所要所で散りばめられていました。
今までの河瀬作品とはまた違う感じだったと思います。

私は甘党ではないのですがどら焼きやあんこを食べたいと思うくらい、あんこの出来る工程がリアルと言うかシャカシャカという豆の音や、豆が小豆に、小豆があんこになって行く過程がとても美しくてもっと観ていたかったです。

撮影の仕方も希林さんはガラス越しにしか映って居ないのにしっかりそこに存在するというシーンが多く、好きです。

ハンセン病のこともあまり良く知識がなかったのですが、これから調べてみようかな、という気持ちになりました。

勿体無い事にお手洗いで少し中抜けしてたので再度観たいと思います。
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