吉田ジャスティスカツヲ

バケモノの子の吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

バケモノの子(2015年製作の映画)
4.1
【話を飛躍させ過ぎて伝わり辛い。勿体無い映画】

私は本作を観て細田守監督作品の共通点を見つけました。
・現実とファンタジー要素を行ったり来たり。アニメーションだから瞬時に出来ること。
・起承転結の転の部分がドギツイ。取り返しのつかないくらい。
・ドギツくて、映画を見終えた一時間後の印象は転の部分が強く残る。

全体の内、九太が9歳の前半部分は、その生活感が歌舞伎町のこころちゃんに似てる…
修行方法が蛇拳🐍やベストキッドに似ている…
など良い意味で私にもイメージしやすく感情移入できました。

しかし闘技場での戦いを終えて九太とヤツのパートに入ってから、私の頭に多くの?マークが押し寄せてきます。ʕʘ‿ʘʔ

・鯨の姿を選んで襲いかかってくる。それを恐怖に感じるのは、最近そんな本を読んだ人だけじゃ?現場の一般人はただただワケもわからず町が壊されていく気持ち。ゴジラに襲われた方がまだ納得できるでしょう。

・九太を守ろうと戦いに割り込んで『闇に飲み込まれたあなたに蓮が負けるわけない‼︎』とヤツに向かって吼える楓。
ん?二人は初対面のはず。いつ敵についての説明を受けたのでしょう?
もっというと楓は私たち観客より事情を知らないでしょうが。

んならこうしたらもっと面白い。
諸国巡礼の旅をもっと濃くしてみる。
セリフも割愛で、割とアッサリ片付けられてしまいましたがもっと尺を取って丁寧に描くのはどうです⁉︎

『賢者様達がその時には意味のわからないキーワードだけを教えてくれるが、それはこの先の展開への暗示や勝利への鍵になる言葉だった』

その旅行記を九太なりに拙い文章でノートにしてあり、楓が図書館で冗談半分で添削してくれるシーンがある…みたいなw